『習慣の力 The Power of Habits』
この記事では、「People Empowerment/人のやりたいことを見つける」というテーマに関心のある方にオススメの書籍をご紹介します。
経産省のアジア視察に行った際に団長のI先生に「読んだ方が良いですよ」と薦められた本です。この話をしたところインド人の本の虫のPさんも先月同じ本を読んでいました。
とても面白い本です。
必読ですね。
スタバのLATTEメソッド+権限移譲は、かなりイケています!
以下にポイントを書いておきます。
◆プロローグ
・私たちの生活はすべて、習慣の集まりにすぎない。:1892年ウィリアム・ジェームズ
・毎日の行動の40%以上が習慣だという:2006年デューク大学
・習慣の仕組みを知っていれば、「習慣は変えられる」
・習慣とは、ある時点で意図的につくり、やがて考えなくても毎日、何度も行うようになるもの。
きっかけ→習慣→報酬
◆第一部(個人の生活の中で習慣がどのように出来上がっていくか)
・チャンキング(一連の行動を無意識に行える慣例に変える脳のプロセス):運転など
・きっかけ→習慣→報酬
・習慣はデリケート。きっかけがほんの少し変わっただけで、その習慣は崩壊する
・練り歯磨きの事例:汚い歯(きっかけ)→毎日の歯磨き(習慣)→きれいな歯(報酬)
※実は、ミント油が入っていて、口中を刺激する。これが習慣化に重要だった。
※シャンプーも泡立つ必要は無いが、わざわざそうしている。
・ファブリーズ
失敗例:ペットのにおい→ファブリーズ→変なにおいがしない家
成功例:掃除→ファブリーズ→良い匂い(リラックス)
変なにおいを取り除こう→生活のにおいを一新します
・サルの実験:モニターを見て正解を当てる→ジュースが上から落ちてくる →モニターを見た習慣に脳が活性化!!
→人間の煙草も同じ
・習慣の変更は、きっかけと報酬は変えずに、行動(真ん中のステップ)を変えるのが鉄則 。
・アメフトのコーチ、ダンジーは選手に「他の誰よりも速く動く」ことだけを求めた→選手はきっかけだけを見ている!→1年後には、パターンが身体にしみこみ、反射的に動けるようになった。
・アルコール依存症からの復活プログラム(AA)も同様
→アルコールへの欲求を生み出すきかっけをすべて見つける!
→アルコールからどのような報酬を受け取っているのか見つける!
→飲む代わりになる新しい習慣を作らせる
※その際に、信じる力、集団の力があれば、更にうまくいく
・爪を噛む癖も同様、仕事中の間食も同様!
個人:意思の力、組織:全員の重要性を認め、習慣を変える
◆第二部(成功している企業や組織の習慣の分析)
・個人には習慣があり、集団には機械的な手順がある
・アルコア(アルミニウム・カンパニー・オブ・アメリカ)の奇跡:新CEO ポール・オニール
→社員の安全を改善する:目標は事故0
→1年後にアルコアは記録的な利益をあげた、ポール在任中に5倍になった
→社員が怪我をする率は、全米平均の20分の1になった
→一人の従業員の死をきっかけに、すべての仕組みが変わった。
→その死の理由は役員であるわれわえれにあるとポールは皆に伝えた。
→そこから改善が加速した。
※キーストーンハビット:習慣を変えれば、連鎖反応を起こし、他の習慣 も変わっていく
オニールは、最初に手をつけるべきことは、誰も(組合も管理職も)が重要だと認める事柄だと考えた。
※けが人0は、アルコア史上、最も大きな改革につながった
→けがを0にするには、理由を把握し、そのためには製造過程を見直し、社員を教育し、手順を徹底する必要がある
・マイケル・フェルペスの成功
→レースに勝てる心理状態
→架空のビデオ:完璧に泳いだ映像をイメージする
・小さな勝利
→小さな成功を収めると、また別の小さな成功を得ようとする力が発動する
※ゲイの権利向上を目指す運動は失敗していた。
ところが、図書館のゲイの分類を異常性行為から外すことに成功した後、
これがニュースになり、次々に成功を収めた
・スターバックスは、生きるためのスキルを教える事に成功した
→意思の力こそ個人の成功に求められる
→スターバックスは、従業員の自制心を鍛える教育プログラムを開発した
※意志力は筋肉のように有限である。使うと減る。
※意志力は筋肉のように鍛えることができる
→転換点(難しい状況に陥った時)への対処法を考えさせた
※怒った客への対応、列が長くなった時の対応
白い紙の上に「お客様が満足していないとき、私なら・・」と書いてある
→LATTEメソッド
Listen:お客様の言葉に耳を傾ける
Acknowledge:彼らの不満を認める
Take action:問題解決のために行動する
Thank:お客様に感謝する
Explain:なぜその問題が起きたのか説明する
→これをロープレで実践する
→習慣にできる
更に、現場に権限移譲することで更に自ら改善が始まる
→レジやエスプレッソマシンをどう配置するのか、自分たちで決める
・リハビリ患者にも意志力が寄与する
→毎週2種の目標とその数値を書かせると2倍速く回復する
※目標は自分のトラブルへの対処法を書いていた(転換点を中心に書いていた)
・ロードアイランド病院の変革
→医師の立場が強く、わがままで、看護師は医師の酷さをクラス分けして、対処法を考えていた。
→大トラブルが起きて、(危機感を共有できて)ようやく対応が始まった・経済変動の進化理論
→企業の行為の多くは、決断という気の先にある小枝をじっくり観察した結果ではなく、概してその企業の過去に由来する全般的な習慣と戦略的対応の反映だと理解できる=大半の企業の決定は、合理的選択のようにみえるけれどそうではない。
→企業内は管理職の足の引っ張り合いの内戦状態であるが、ルーチンのおかげで停戦状態になっている
・妊娠した人を見つけたターゲットの販促策
→各種データから妊娠している事を把握したターゲットは、妊娠用のクーポンを他のクーポンに紛れて入れることで成功した。
・ヒットする可能性の高い曲(ヘイ・ヤー)の販促策
→皆がチャネルを変えない局(人気の有無にかかわらず)の間に挟むと人気が上がる
・アメリカ人に内臓肉を食べされる方法:第二次世界大戦中のたんぱく質不足対策
→家族がテーブルに並ぶのを期待しているのと同じ見た目、味、匂いにすればよい
※レバーをミートローフにまぜる、キドニー入りのパイ等
・古い習慣に包む
→YMCAのトレーニングジムが会員継続率を上げるのは、設備の良さではなく、会員、メンバーとのつながりの方が寄与が大きい
第三部:社会の習慣
・公民権運動の真相:1955年ローザ・パークスがバスで席を白人に替わらなかったことから始まった
→それまでも同様のことは起きていた。事件が起きたモンゴメリーは黒人差別の強い土地で差別は日常茶飯事だった。
※キング牧師も関与した。それ以上に強かったのはローザは、様々なグループに所属し、有名だった
→弱いつながりがあり、皆が自分こととできて、デモへの参加者が多くなった。のが始まり!
→デモに参加しないと、グループでの立場が無くなるというプレッシャーもあった。
→キング牧師の自宅前で爆破。それに対して、私たちは白人が何をしようと彼らを愛すると言った。
→大きなうねりとなった
・ギャンブル
→依存症の人はニアミスを見ても脳が興奮する(当たりと同じだと認識する)
→ギャンブル依存症やアルコール依存症でも習慣を変えることができている
付録:アイデアを実行に移るためのガイド
・変化はすぐに起こるものではないし、常に簡単でもない。
・しかし時間をかけて努力を続ければ、ほぼどんな習慣でもつくり替えることが可能になる。
1)ルーチンを特定する
きっかけ→ルーチン→報酬
2)報酬を変えてみる
3)きっかけを見つける
場所、時間、心理状態、自分以外の人物、直前の行動
4)計画を立てる
かなり面白いです。お勧めです。