見出し画像

2015年105冊目「WORK RULES」

Googleの人事トップが、採用、育成、評価のすべてを書いた。と帯にあります。同社の人事担当者上級副社長のラズロ・ボックさんが著者です。500Pを超える本で、読むのに骨が折れました。

採用に携わっている方、人材が競争力の源泉だと考えている企業の経営者は目を通した方が良いと思います。

著者は2006年にGoogleに人事トップとして着任し、6000人だった社員を6万人までにしています。

LinkedinによるとGoogleは地上で最も人気のある職場だそうです。
アメリカでは前例のない「フォーチュンが選ぶ最も働きたい会社」に5度選ばれています。

毎年200万通の就職申込書を受取ります。ここからの合格率は、ハーバード大学、イェール大学の競争率の更に25倍になる計算です。

数字で再確認しても凄い会社ですね。

私は、物事を捉える時に「構造」と「水準」と必要に応じて「徹底度合い」で把握する習慣があります。「構造」とは文字通り、どのような構造になっているのか、因数分解するとどのような機能、特にどのよう機能が重要なのか?それぞれの機能ごとの重要なポイントは何か?という事を理解することです

そして、その重要な機能やポイントはどのような水準なのか?つまりレベルを把握しようと試みます。同業種の中でどうなのか?国内でどうなのか?世界で比較するとどうなのか?を把握します。もちろん比較できない項目もあります。

これらにより、私が担当する物事や組織の何処が強みでどこが弱みで、どこを強化、放置するべきなのかの全体像を把握できます。

そして、最近、把握する際に加えたのが「徹底度合い」です。ある機能で高いレベルであると評価されている業務があるとします。ところが、その「徹底度合い」が異なるケースがあるのです。必ず高いレベルの仕事をしているのか?高いレベルのしごとを大体しているのか?あるいは、高いレベルの仕事をした事があったり、する事があるのか?これらを見分けないといけません。強い組織は、この徹底度合いが高いのです。重要な項目については、必ず出来るのです。

前置きが長くなりました。何が言いたいかというと、この本を読んで、Googleがやっている事の大半は我々(リクルートグループだけではなく日本企業)はやっているように感じるのです。

最終章に、明日からできる事が10あります。

1 仕事に意味を持たせる
2 人を信用する
3 自分より優秀な人だけを採用する
4 発展的な対話とパフォーマンスのマネジメントを混同しない
5 2つのテール(トップとボトム)に注目する
6 カネを使うべき時は惜しみなく使う
7 報酬は不公平に払う
8 ナッジ きっかけ作り(小さなシグナルが行動を変える)
9 高まる期待をマネジメントする
10 楽しもう(そして1に戻って繰り返し)

如何ですか?私は、とても納得感が高いです。意識している項目ばかりです。ただ、水準が違ったり、徹底度合いが異なる可能性があります。ここの差を埋められるかどうか?埋めようと思うかどうか?が違いなんだろうなと感じたのです。

上記の項目では触れられていませんが、明らかに劣っているのは、採用プロセスの標準化と見える化の部分ですね。ここはかなり劣っています。単純に数字を把握するというレベルではなく、何故そうすべきなのか?まで検証され、それを元に標準化されています。早急に対応しようと思いました。

また、Googleは、長い採用プロセスです。何度も何度も面接を行います。リクルートも新卒採用ではそうですね。ただ、中途採用では違います。これは需給バランスの問題で選択ができない項目だと感じました。

とても分厚い本ですが、お勧めです。

▼最近のブックレビューです。

▼PIVOTに出演しました。よかったらご覧ください。  

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集