2018年 32冊目『なぜ弱さを見せあえる組織が強いのか』
FIXERのグループリーダの課題図書になっています。
簡単に読めるのですが、深い本です。
冒頭にある話が目から鱗です。
組織に属しているほとんどの人が、本来の仕事とは別の「もう1つの仕事」に精を出している。
それは、自分の欠点を隠し、不安を隠し、限界を隠し、自分を隠すための仕事をしている。
自分の弱さを隠し、自分の印象を操作し、優秀に見えるようにする。
無意識にこの「強がり」をするために、時間を使っている。
もっと価値を生み出すことにエネルギーを費やすべきではないのか。
そうしないと、その損失はあまりに大きい。
自分自身にも思い当たります。
人が仕事で燃え尽きる最大の要因は、仕事の負担ではなく、成長感を持てずに長く働き続けること。
※私は、成長感と貢献感が大事だと思っていて、この「感」が大事だと言っています。
能力開発に適した環境は、弱さをさらけ出せる、安全と同時に要求の厳しい組織文化によって生み出されます。
著者は、それをDDO:Deliberatery Developmental Organization (発達志向型組織)と名付けています。
この発達志向型組織(DDO)を実現している3つの会社の事例が載っています。
その中で、私がドッグイヤーをつけた部分を載せておきます。
・バックハンド:個人の弱点のこと。
大別すると「自信満々すぎる」か「謙虚すぎること」
・自分の成長+他人の成長=みんなの成長
人間には他人に奉仕する天性の性質が備わっている。
もし仕事の場で他人に奉仕する充実感が持てなければ、職場外でボランティアに参加して、その充実感を得ようとする。
・フォロワー・リーダー組織(FLO)
キャプテン、コーチ、右腕、左腕の4人でチームを作ります。
コーチはキャプテン経験者で、キャプテンにバックハンドを克服するためのFBを行います。
・D社の人と仕事に関する基本理念
仕事にはやり甲斐を味わえるもの(成長、改革、奉仕)
人は尊重されるべき目的である
個人と組織は成長する可能性がある
利益の追求と人間の成長は一体をなす
・チェックイン・チェックアウト
・フィッシュボール
中央に4人が集まり、議論を行う。その周りに従業員がいて耳を澄ませている。
・自己改善の5つのステップ
1目標設定 2問題特定 3診断 4解決策を決定 5課題の実行
・B社の基本原則の抜粋
真実を信じる/失敗から学ばないことは許さない/適切な人材を起用/人は異なる/人の評価は正確に/経験を通じてメンバーを訓練/適切でないメンバーは取り除く/総合的に考える
・社内の会議はすべて録音され、社員ならだれでも聞ける
・痛み+内省=進歩
・人を助けることを最優先事項とおいている
・徹底して真実を追求し、どんなに不都合なことからも目を背けない
・社員の人間としての発達に光を当てる
・大人の知性の3つの段階
環境順応型知性10%強 →自己主導型知性 30%強→自己変容型知性 1%以下
かつては環境順応型でよかったが、現在は自己主導型が求められる
・問題や失敗を全社向けの「イシュー・ログ(問題の記録)」に記すことが義務付けられている
・地位には、基本的に特権がともなわない
・人が能力の限界(エッジ)に挑むためには、そのための活動を具体化する慣行(グルーヴ)を確立しなければならない。そして慣行を維持するためには、人々が弱さをさらけ出せるように支援体制(ホーム)をはぐくみ必要がある。だから、ホームを作り出して、学習と成長を後押しする環境を整えることから出発すべきだ。