見出し画像

2023年 25冊目『安倍晋三回顧録』

読み応えありました。

2020年10月から21年10月までの18回36時間の取材をもとに書き起こしたものです。

安倍さんは、ご自身の記憶だけではなく、資料やノートなどを見ながら回答したそうです。

また、一般的に回顧録は、もっと時間が経ってから出されるものが多いのですが、この本の準備はご自身の退任直後という記憶がまだ新鮮な時に取材をされています。

22年1月にほぼ完成の状態だったそうですが、安倍さんから待ったがかかったそうです。

読めばわかるのですが、かなり機微な話が多いのです。

そうこうしているうちに、22年7月8日に安倍さんは凶弾に倒れ、帰らぬ人になりました。

四十九日を過ぎ、昭恵夫人に出版のお願いに上がると、安倍さんの机の上に遺品のように原稿が置いてあり、それを見て出版を快諾されたそうです。

実際、読み応えあります。

安倍さんから見たトランプ、オバマ大統領、ジョーカーだと分かっている小池百合子さん、習近平やプーチンへの人物評もそうなんだと思います。

話は2020年のコロナ蔓延から辞任の話からスタートします。

厚労省と医師会が動かなかった理由

アベノマスクへのご自身の解釈

緊急事態宣言や一律10万円給付の判断の軸

河合夫妻逮捕やイージスアショアのとん挫の裏側

持病の再発と辞任決断の弱気になった背景

そして時代は遡り、第一次内閣の2003~12年の話

あいつぐ不祥事と退陣

その後の地道な活動

そして13年からの第二次内閣

ここからは1年ごとに丁寧に話が進みます

13年は

TTPやアベノミクス時の判断

集団的自衛権の憲法解釈、五輪誘致と皇室の力

特秘法や靖国神社参拝の理由

14年は

NSCやオバマ大統領との応酬

集団的自衛権行使容認や内閣人事局での官邸一強

日朝交渉

そして現在に繋がるロシアのクリミア併合

15年は

イスラム国による人質殺害

米議会での演説

慰安婦合意

この後は

海外首相の事と戦後外交、森友、小池新党、外交、令和の事が続きます。

最後は長期政権が実現した理由として

第一次内閣の挫折や

その挫折を一緒に経験した人たちについて触れています。

色々な意見があると思いますが

いやーほんと読み応えありました。

▼昨日のブックレビューはこちら


いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集