見出し画像

2015年 46冊目『ZERO to ONE』

Pay Palマフィア(Pay Palを企業した後に次々に起業し、成功している仲間たち。

代表例はYouTube,テスラモーターズ、LinkedIn, スペースX, Yelp, Yammerなど)の中心的人物 ピーター・ティールの本です。

彼がスタンフォード大学で起業について講義した話です。

私が昨今、事業開発やリーンスタートアップについて違和感を持っていたことに回答してくれた気分になりました。かなりお勧めです。

装丁の内側に次の文章があります。

「新しい何かを作るより、在るものをコピーする方が簡単だ。おなじみのやり方を繰り返せば、見慣れたものが増える。つまり、1がnになる。だけど、僕たちが新しい何かを生み出すたびに、ゼロは1になる。

人間は、天から与えられた分厚いカタログの中から何を作るかを選ぶわけではない。

むしろ、僕たちは、新たなテクノロジーを生み出すことで、世界の姿を描き直す。それは幼稚園で学ぶ当たり前のことなのに、過去の成果をコピーするばかりの社会の中で、すっかり忘れられている。

本書は、新しい何かを想像する企業をどう立ち上げるかについて書かれた本だ。

ワクワクしますよね。

1 僕たちは未来を創ることができるか

2 1999年のお祭り騒ぎ

3 幸福な企業はみなそれぞれに違う

4 イデオロギーとしての競争

5 終盤を制する

6 人生は宝くじじゃない

7 カネの流れを追え

8 隠れた真実

9 ティールの法則

10 マフィアの力学

11 それを作れば、みんなやってくる?

12 人間と機械

13 エネルギー2.0

14 創業者のパラドックス

おわりに 停滞かシンギュラリティか

目次だけ読んでも面白そうでしょう。

冒頭に質問が載っています。

採用面接で必ず聞くそうです「賛成する人がほとんどいない、大切な真実はなんだろう?」

私はグローバルスタンダードに乗ると成功しない!だと思いました。

1999年のドットコムバブルの崩壊により、起業家は次の4つを学びました。

1 少しつづ段階的に前進すること

2 無駄なく柔軟であること

3 ライバルのものを改良すること

4 販売でなくプロダクトに集中すること

よく聞く話ですよね。これ変だって思っていました。

著者は全部反対だと言います。

1 小さな違いを追いかけるより大胆に賭けた方が良い

2 出来の悪い計画でも、ないよりはいい

3 競争の激しい市場では収益が消失する

4 販売はプロダクトと同じくらい大切だ

これが、私が違和感をもっていたことの回答でした。

これ以外に参考になったポイントを書いておきます。

競争環境に身を置くより、独占企業を目指した方が良い。

そのためには

1 競争優位性(プロプライエタリ・テクノロジー)同業の10倍くらいの優位性

2 ネットワーク効果:でも小さな市場の独占から始める

3 規模の経済:これを最初からイメージする

4 ブランディング

が重要。

独占はニッチ市場から始めて独占をする。FBはハーバード大学から。Amazonはアメリカの書籍から。PayPalはeBayのパワーセラーから始めて拡大しています。

ディスラプトモデル(既存ビジネスを破壊する)と宣伝することは、無用な敵を作ってしまう。

ファーストムーバー・アドバンテージ(先手必勝)と言うけれど、これは手段であって目的ではない。勝ちたければ「何よりも先に終盤を学べ」です。

起業は、自分自身がコントロールできる試み。小さくても大切な世界の一部を支配することができる。それは「偶然」と言う不公平な暴君を拒絶することから始まる。

べき乗則の重要性。

ベンチャー企業が成功するかどうかは、一般の人が思っているより偏っている。

ほんの一部の企業だけが成功して、残り8割以上は2年も持たない。ベンチャーキャピタルが分散投資と言った瞬間に宝くじを買うのと同じになってしまう。

成功できる可能性がある会社だけに投資するのが良質なポートフォリオ。

ティールの法則:創業時がぐちゃぐちゃなスタートアップはあとで直せない。CEOの年収は15万ドルを超えてはならない。株やオプション付与は公平でなくて良い。

仕事を超えた関係者と起業し、共謀者と会社を作り、皆が同じように違っているのが望ましい。そして、一人一人が一つのことに責任を持つ。

良い製品を作れば人が自然に集まってくると思っているオタクは多い。
営業を忌み嫌っているオタクも多い。

しかし、一流の営業は、その技を見せずに売ってくる。
スタートアップから販売、営業考えておかなければならない。

コンピュータの進化は人間と敵対しない。補完してくれる。

テスラは7つの質問全てに答えたスタートアップだった。テクノロジー、タイミング、独占、チーム、販売、永続性、隠れた真実

とても面白い本です。

▼前回のブックレビューです。

▼PIVOTに出演しました。よかったらご覧ください。

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集