中乃森豊

心に浮かぶ空想や妄想を絵と言葉に。 第18回坊っちゃん文学賞にて「父の化石頭」、同第1…

中乃森豊

心に浮かぶ空想や妄想を絵と言葉に。 第18回坊っちゃん文学賞にて「父の化石頭」、同第19回にて「野次馬スター」がともに佳作入選。 「てのひらの夢魔 中乃森豊ショートショート集」がAmazon kindleにて発売中。 HP:https://nakanomori.com

最近の記事

「坊っちゃん文学賞 よみ芝居2024」を観劇して感激したお話

はじめに 2024年8月3日・4日の二日間、松山市総合福祉センター1階、大会議室にて、 「坊っちゃん文学賞よみ芝居2024」が開催されました。 愛媛県松山市の主催している歴史ある文学賞である「坊っちゃん文学賞」が 第16回からショートショートの募集にリニューアルされたことで、 その受賞作を「よみ芝居」という形で作品の原文を一字一句そのままに舞台化するという試みが毎年行われています。 昨年に引き続き、今年も大賞と佳作を含めた3作品が舞台芸術倶楽部「ごそく楼」の皆様によっ

    • 「坊っちゃん文学賞よみ芝居」視聴ノススメ③『再配達』

      こちらは松山市の主催する坊っちゃん文学賞の第18回にて佳作を受賞された知花沙季さんのショートショートを「よみ芝居」として舞台化したものです。 以下の「視聴ノススメ」にて、解説上どうしてもストーリーの核心に触れる(ネタバレする)部分がありますので、先に上記の動画をご視聴頂くか、下記リンクから原作をお読みください。原作をお読み頂くことでこの「よみ芝居」がいかに丁寧に舞台化されているかが分かり、さらに深くお楽しみ頂けると思います。 知花沙季さん著「再配達」原作 https://

      • 再生

        「坊っちゃん文学賞よみ芝居2024」がまもなく開催されます。

        2024年8月3日・4日、松山市総合福祉センター1階大会議室にて 「坊っちゃん文学賞よみ芝居2024」が開催されます。 松山市の主催する「坊っちゃん文学賞」の受賞作品が朗読と演劇を融合した「よみ芝居」として舞台化。 今回上演される作品は「ドリームダイバー」「空色ネイル」「父の化石頭」の三作品です。ただ今、下記サイトにてチケット予約受付中です。 https://forms.gle/qnPnGyeXWdsCFxvCA

        • 「坊っちゃん文学賞よみ芝居」視聴ノススメ②『羽釜』

          こちらは松山市の主催する坊っちゃん文学賞の第16回にて大賞を受賞した、高野ユタさんのショートショートを「よみ芝居」として舞台化したものです。 これまで青春文学の登竜門として400字詰め原稿用紙100枚程度の作品を募集していた坊っちゃん文学賞から現在の4000字以内のショートショート募集にリニューアル後に初受賞をされ、以降の応募作品を方向づけた、まさに記念碑的作品です。 大学生の青年とお婆ちゃんの「おいしいごはん」を通した心の交流がほのぼのと温かい感動を呼ぶ本作ですが、舞台

        「坊っちゃん文学賞 よみ芝居2024」を観劇して感激したお話

          「坊っちゃん文学賞よみ芝居」視聴ノススメ①『ジャイアントキリン群』

           上記の映像は、松山市の主催する「坊っちゃん文学賞」の第19回にて大賞を受賞された、そるとばたあさんの傑作ショートショート「ジャイアントキリン群」を「よみ芝居」という形式で舞台化したものです。原作は以下の松山市のリンク先からお読み頂けます。 そるとばたあさん著「ジャイアントキリン群」原作 https://www.city.matsuyama.ehime.jp/shisei/machizukuri/kotoba/bocchan.files/19th-01-giant.pdf

          「坊っちゃん文学賞よみ芝居」視聴ノススメ①『ジャイアントキリン群』

          『父の化石頭』が「坊っちゃん文学賞よみ芝居」として舞台化されます。

          第18回坊っちゃん文学賞で佳作を頂いた拙作『父の化石頭』がこの度、 「坊っちゃん文学賞よみ芝居2024」8月公演にて舞台化されることとなりました。 「よみ芝居」とは?小説本文を一言一句変えることなく朗読と台詞によって構成・演出された舞台劇のことです。 舞台用の脚本として書かれたものではない小説(ショートショート)を一切の修正を加えずに原文そのままを劇として演じるというのは色々と制約も多く、難しい表現方法だと思います。 脚本のト書きと違い、読みものである小説の情景描写は修

          『父の化石頭』が「坊っちゃん文学賞よみ芝居」として舞台化されます。

          虫愛づる日々

           あれは去年の10月半ばすぎくらいのことだったと思う。  ある朝、いつものように早めに出勤し、昼ごはんを調達しておこうと会社の近くにあるコンビニへ続く街路を歩いていた。  秋の澄んだ朝陽に照らされたレンガ敷きの地面の上を何かがモクモクと這っている。目の覚めるような鮮やかな緑色をしたその小さな生き物はイモムシだった。子供の頃から虫が大好きだった私はそれがアオスジアゲハの幼虫であることにひと目で気づいた。いくら虫好きとはいえ、いい年の大人が出勤途中に嬉々として青虫を拾うわけには

          虫愛づる日々

          【新刊】ショートショート集『3分間のまどろみ カプセルストーリー 青・緑』が6月23日(金)より2冊同時に発売致しました。

          株式会社Gakkenよりショートショート集『3分間のまどろみ カプセルストーリー 青・緑』が6月23日(金)より電子書籍として2冊同時に発売致しました。 現代ショートショート作家の田丸雅智先生の監修で、ショートショートの賞にリニューアルされた坊っちゃん文学賞およびショートショート大賞を受賞された方々が新作ショートショートを寄稿しております。 どの作品も現代ショートショートの新しい可能性を感じさせる素敵な作品ばかりですのでご興味のある方は是非ご一読を。 まとまった読書時間

          【新刊】ショートショート集『3分間のまどろみ カプセルストーリー 青・緑』が6月23日(金)より2冊同時に発売致しました。

          新刊「てのひらの夢魔 中乃森豊ショートショート集」のお試しとして第1話を公開いたします。

          第1話 夢蜂と獏 この数ヶ月の間、毎晩のように同じ夢を見る。  正確に言うと同じ夢ではなく、一連の夢が続いている。まるで長い連続ドラマでも見ているかのように。  その夢は決まって、ある静かな森の奥に広がる花園の光景から始まる。季節は初夏のように思えるがよくわからない。深く鮮やかな青空を覆うように新緑の枝葉を伸ばした樹々のトンネルを抜けると、色とりどりの花々が咲き乱れる園が現れる。花は薔薇に似ているような気もするが、私はその名を知らない。空からは陽の光が降り落ち、園のただ中に置

          新刊「てのひらの夢魔 中乃森豊ショートショート集」のお試しとして第1話を公開いたします。

          新刊「てのひらの夢魔 中乃森豊ショートショート集」がAmazon kindleストアにて発売中です。

          この度、中乃森豊として初のショートショート集をAmazon kindleストアにて発売いたしました。 第18回および19回の坊っちゃん文学賞に応募して二次審査(大賞・佳作を除く20作品)に選出された「ジブン・シェアリング」と「家族のピース」の2作品も合わせて掲載しております。 全28話収録で、価格は280円です。(高い!と思われたこれをお読みのあなた様、1話10円なのでどうかお許しくださいませ……) Amazon Prime会員の方は全ページ無料でお読み頂くことができます

          新刊「てのひらの夢魔 中乃森豊ショートショート集」がAmazon kindleストアにて発売中です。