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六枚道場001に参加させて頂いたものを書き直しました。 いろいろ蛇足のような気もしないではないがきさめさんの後押しがあったのでアップしました。 改めて稿を重ねるごとに研ぎ澄ましていくプロの作家さんたちってすごいなあと思いました。 良い小説ってのがなんなのかわかるようにならないとなあ。どうすれば良いのでしょうかね。読んで、書いて、また読んで、また書くしかないのかな。 一歩一歩とか、コツコツとか、口で言うのは簡単だがなあ。せっかちでいけない。まあ、楽しんでいこう。改め
ある日突然スーツ姿の美女三人組が私の部屋に押し入って「人間であることを表彰します」と告げた。何を言っているんだと思ったが金をくれるというので三十年ぶりに外に出て驚いた。そこは私の知らない場所だった。目の前に整列している棺のような黒い立方体は何だろうと思い美女の一人に尋ねるとそれはどれも家や店や会社などで彼女たちの目には色鮮やかな広告とともに存在しているように見えているらしい。現実の物質は出来うる限り意味を失い必要な情報はメタ情報として記述されそのコードを読み取ることで意味の
友だちが欲しかった僕は、同じように友だちを欲しがっていた死を見つけた。屋上で身を乗り出してみたり、歩道からふらりとはみ出してみたとき、死は嬉しそうに手を振ってくれる。僕らに言葉は必要なかった。お互いがお互いを見出すことができれば、それで寂しくなかった。けれどそうしているうちに、いつの間にか死は僕に依存し始めたようで、僕が誰かと話していたりすると、怒って手を伸ばそうとしてくる。電車を待っているときは、目を怒らせてじっとこちらを見つめ続けている。僕はなんだか死がかわいそうになっ