鈴木涼美作『身体を売ったらサヨウナラ』を読んで
自分が忙しくて、本が読めていないと思っていたけれども、
実際は集中して本が読めない、本を読んでぼやっと何かを思う時間がないと言った方が正しい気がする。
私は読んだ本を全て、このnoteに読書感想文としてアウトプットしてしているわけではないけれども、
何だか、鈴木涼美作『身体を売ったらサヨウナラ』は感想文を書いておきたいと思った。
地方出身の私は、鈴木涼美さんの考え方とか生き方とか、鈴木涼美の母親のセリフとか生き方に憧れがある。作者の母親の受け答えに感動した。文学者ってすごいなと。
ここに出てくる男達はいわゆるモテる系で、
女の人に振り回されるだけの余裕がある男たちだ。
私はその女側にも男側にも、経済的・社会的・外見的・感性的にもなれないことがこの本を読むとよく分かる。
むしろ、この本の人物になろうとすることが、如何に見当違いで、私のやることではないと気付かされた。
この本で書かれている激しい感情の上下、サトリ世代の諦め感は、共感できる。
でも読んでいると、その激しい感情の上下に、通いて行けなくなる感じもある。
文中で言及される地名はほとんど分からないし、ブランドも超有名なものしか分からない。でもなんか知っているのが、きっと遊び慣れている風でかっこいいんだろうなという感覚も捨てがたい。
本当のことは何もなくて、
綺麗事を言う人こそ裏で何か悪いことをしていて、
義務を遂行するよりも、権利を強く主張するフリをしながら自分の欲望を満たそうとする姿に批判的な人もいることも知っている。
この本はこんな世界もあるのか。
ちらっと覗くぐらいがちょうど良くて、
自分に誠実に生きようと思いました。
私の都会に憧れ、最先端の物を知っていることがかっこいいと思う感性は早く無くならないかなと。
私はもう、新しいものを追っかけるのも、都会的な移り変わりがは激しい人間関係にも、とっくに疲れているのに。