他者評価が気になる人のための、自他境界線の引き直し方
「やりたい事はあるんだけど、他者評価が気になって、行動するのが怖い」
私がプロコーチとしてクライアントさん達から依頼される解消したい困り事の中で、「他者評価に振り回されてしまう」は上位にランクインします。
先日行ったspaceでの対談でも相談を受けた内容であり、今回はその解消法の一つをお伝えします。
この解消法は、色々ある考え方の一つであり、納得感が高い方もいれば、そうでない方もいると思います。ねばならない、と考えるのではなく、こんな方法もあるんだ、と参考にしていただければ幸いです。
1.他者評価二つの原因
人によっては、「他者評価なんて気にならない。大切なのは自分自身だ。」そう考えて行動できる方もいますが、そうでない人もいます。それは、特性と過去の経験による違いです。今あなたが他者評価を気にしているのなら、気にしないようにする事はできないでしょうから、気にしないで行動する事を諦めて、自分なりの方法を模索するのが。なぜなら、左利きなのに右利きの人を真似して右手でボールを投げようとしても同じようには投げられませんから、自分の利き手でボールを投げて、遠くまで投げられればそれで良いんです。
私はHSPの特性が強い事もあり、思考が深いからこそ、他者評価が気になる人でした。何か行動するにしても、他者からどう思われるのだろうか?批判されたりしないだろうか?と恐怖すら感じていました。
過去に「小学生の頃に、万葉集をマンバシュウと読んでクラス全員から笑われて嫌な思いをした」等の実際に自分が経験した事や、「フツーじゃないあいつおかしい」と自分が言われていないのに他者が批判されている事を自分の事と繋げてしまい、そう思われたくないと他者評価が気になる原因となっていました。
また、HSPの特性が弱くても、共感性が高い人や幼少期の環境により自分の価値観よりも他者の価値観を優先してきた人も、大人になってからも他者評価を気にしてしまう人が多くいます。
他者評価を気にしないと、痛い目にあう。
この過去の経験による価値観が、他者評価が気になる原因の一つ目です。
また、自分の言動に対して他者から批判される事は自分を否定される事だ、と感じている人も多いでしょう。前述の経験が繰り返されると、自分自身を信じる気持ちが低下して、自己肯定感が低下します。そうなると褒められても受け止められず、自分の言動を批判されても自分自身が否定されたように感じてしまいます。
自分は価値がない人間であり、でもそれを気付かされたくないから、他者の価値観に合わせて生きていくしかない。自分に価値がない事が周りに気付かれないように、隠さなければいけない。
これが、他者評価が気になる二つ目の原因です。
他者評価を気にしている人の多くは「他者からの攻撃から身を守るため」と「自分の価値の無さをを隠すための」の二つの原因を抱えて苦しんでいる方が多いです。
確かに、幼少期やその時には、他者評価を気にする必要があったと思いますが、それが環境が変わったのに価値観としてアップデートされていない事が、今の問題です。その経験から時間も経ち成長しているのに、大人になって働いているのに、です。
なんとかしたい!と思うのであれば、今が価値観をアップデートするタイミングです。
2.自他境界線を引き直して、他者評価を手放す
そもそも、コミュニケーションは誤解が基本です。
自分の考えを100%相手に伝える事はできませんから、相手の考えを100%受け取る事もできません。話し手が自分の考えを言葉や仕草で相手に伝えようとする時、その時点で100%から10%程度まで減少します。この数字はエビデンスはないのですが、中島の経験値的にこのくらいだと感じています。その10%を聞き手が自分の価値観で復元して100%にします。
話し手100→言葉10→受け手100
数字としては合っていますが、実際は
100→10→10+90
なので、90%は受け手の思い込みです。これは、自分が話し手の時も聞き手の時も同じです。そのくらいコミュニケーションは難しい、と知って下さい。自分を理解して欲しい!と思うことも、相手を理解したい!と思う事も、どちらもとても難しい事なのです。
また、自分は自分の事を100知っていても、相手はその全てを知らないですから、その知らない部分は相手が勝手に補いますから、そりゃあ誤解が合って当たり前なのです。
誤解を減らすために、10%をどう増やすか?には2つ方法があります。自分が伝えたい事を相手の価値観に置き換えて話す。伝わったかどうかの確認をして、修正していく。話し手でも聞き手でもできる事はこの二つですが、お互いに相手を理解したい、思わなければ叶いません。一方的な発信では相手は受け取れません。
ですから、話し手と聞き手の関係が家族であっても、10%は変わらないと考えています。家族だからといってお互いに理解したいと考えているとは限りませんからね。家族ですら10%ですから、職場での対面でのコミュニケーションはもちろん、SNSや文字を主としたコミュニケーションではさらに数字は低下します。例えば中島がTwitterで議論しないのも、お互いの価値観の影響が強すぎて不毛な争いになってしまうからです。
なので、他者評価の痛みは、自分が過去の経験から勝手に補っているものなのです。相手は自分の価値を10%としかわかっていないのに、自分が100%だから相手も100%だと勝手に思い込んでいるだけなのです。
コミュニケーションは10%
100%だと思っていた価値観から10%へと線を引き直す事で、過去の価値観である他者評価から自由になって下さいね。
3.日常で活用するために
日常で他者評価が気になる場面や相手がいる時は、10%、と心で呟いてみてください。
相手に何か言われた時も10%、相手にうまく伝わらなくても10%。誤解されたらどうしよう、と思った時10%だから、誤解をスタートラインとして行動しましょうか。
でも、相手になんとか理解して欲しい時はどうするか?
まず大切な事は、私達が主体的にコミュニケーションを取っていく必要があります。相手に依存するのではなく、私達が相手に合わせて、10%を増やすと共に相手の90%を減らして行きましょう。
伝えたい事を相手の価値観に置き換えて話す、とは相手が好きな事や過去に経験した事で例え話する事です。そのためには、相手の趣味趣向を知る必要がありますし、言葉の意味も知る必要があります。フツーは人それぞれ異なるように、相手を観察して相手の言葉で伝えましょう。
そんなの大変!なんで私が!そう考えたりするのであれば、理解は諦めて下さいね。自分がそう思うのなら相手もそう思うでしょうし、相手に期待してもイライラするだけですから諦めるのがオススメです。
そんなわけにはいかない!と思うのなら、選択しましょう。事前準備に時間かけるか、事後対応に時間をかけるか、選ぶのはいつだって自分自身ですから。
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