【中間報告】道徳が、いじめをなくす安全基地学級の鍵

 今回は、今年度から活動してきた、オンライン勉強会「いじめと不登校をなくす週刊 安全基地学級」について、これまでの中間報告として書きました。

 毎週一回、学校の先生方と対話しながら探究して来ましたが、子ども達と先生にとって居心地が悪くない学級経営をしていくには道徳を活用するのが効果的だとの考えに至りました。

 今回は3つに分けて書きました。1つ目は「これまでの経緯」2つ目は「教材文の作成について」3つ目は「道徳授業の型について」です。

1.これまでの経緯

 道徳で安全基地学級の土台を作ることで、いじめをなくしていく。

 いじめられるのも、いじめるのも、その担任であることも親であることも、誰にも経験して欲しくない、と仲間と共にNPO法人Grow Upを立ち上げ第8期目に入りました。これまでに、大人向けや親子参加の講座、外部講師としての授業、親子活動の講師、職員研修の講師を行って来ました。

 そんな中で、今年の2月に千葉先生との出会いがあり、今年度から全国の先生方を対象としたクローズドのオンライン勉強会「週刊 安全基地学級」を毎週一回開催して来ました。

 そこでは、私のプロコーチとしてプロ講師としての知識や経験をお伝えしながら、参加された先生方の困り事を解消するだけでなく、安全基地学級をどう構築していけばよいか?色々なチャレンジをして来ました。

 その一つが、道徳の活用です。私が教材文から作成し、実際に授業を行なっていただきました。また、道徳の型となるフレームワーク「道徳マップ」を開発し、こちらも実際に授業で活用しフォローアップを行なっています。

 なぜ道徳なのかと言うと、学級の共通言語を作れるから、です。いじめの原因の多くは、小さなトラブルです。その小さなトラブルが継続して拡大していじめへと至ります。トラブルが発生した時に、その場で個別に対応するのも大切ですが、それだけでは無くなりません。

 その小さなトラブルをなくすために必要なのは、「相互理解」です。相互理解を深めるのためには、一人が知っているだけでなく、学級全員が知っている「共通言語」を増やしていく必要があります。

 ですが、いじめをなくすための共通言語に関わる教材文がありませんでしたし、道徳授業法についての型がなかったので、自ら開発しました。

2.教材文の作成について

 相互理解を深めていじめをなくす、それにあった教材分がなかったから、自分で書きました。

 相互理解を深めるために必要なのは、知識です。知識を伝えずに発問だけしては、過去の最適化でしかありません。それに、子ども達がその物語に入り込めるようでなければ、つまらなければ主体的に学んでくれないですからね。

 なければ、自分で作ればいい。
そう考えて、以下の3つを軸にして教材文を作成しました。

・読み物として面白く、ストーリーがハッピーエンドで完結していること
・主人公の変容が、具体的に心理描写されていること
・授業者が、読み物の解説を板書する必要がないくらい丁寧にえがくこと

 勉強会に参加した先生方のニーズに応えて、複数教材文を作成しましたし、今後も作成していきます。

3.道徳授業の型について

 道徳が苦手な先生にもできるような、道徳の型「道徳マップ」

 オリジナル教材文を作成して、紹介して、すぐに授業実践してくれた先生もいれば、すぐに指導案を提示してくれた先生もいました。ですが、道徳を得意としていない先生方にとってはハードルが高いようでした。

 色々な先生方と対話する中で、道徳を苦手と感じている先生も多く、いじめをなくすためには1年目の先生でもできるような「道徳の型」の必要を感じました。

 そこで開発したのが「道徳マップ」です。
道徳マップのポイントは以下の3つです。

・U理論をベースとして、導入から週末の流れを視覚的にイメージできる
・ねらいを中心に置き、授業がブレないような構成である
・時系列が明確であり、授業者の振り返りでの学習効果が高い

 実際に活用してくれた先生から、

「これはわかりやすいです!」
「授業で迷子になる理由がわかりました!」

 といった感想をいただきました。
まだ試作中ですので、今後も協力してくれる先生方と一緒に完成度を高めていきます。

4.さいごに

 道徳で安全基地学級の土台を作ることで、いじめをなくしていく。

 道徳は子ども達の相互理解を促すだけでなく、授業者の力量も高めてくれます。
子ども達に変容を促すためには、先生方も成長し変容していく必要がありますからね。

 これからも学校の先生方と対話しながら探究している「いじめと不登校をなくす安全基地学級」をどう構築していくかについて、これまでの成果をお伝えします。

 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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