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田中茂樹さん「去られるためにそこにいる」読了
もっと早くに出会いたい本だった。
子どもとの向き合い方に悩む、すべての親御さんに読んでほしい。
いや、子どもとの関係に悩んでいなくても読んでほしい。
彼のために、彼の幸せな将来を思ってかけた言葉は、「小言」という名の、彼の人生を邪魔するだけの強制的なコントロールでしかなかった。
学校を時々休むようになった頃「勉強がしんどい」と涙を流しながら初めて自分の気持ちを口にしてくれたとき、やっと私は彼の苦しさに気がついた。
すでに遅すぎたのだけれど、勇気を振り絞って出した彼のSOSを私はしっかり受け取った。
けれど、次男の必死のSOSも、親である私たちが間違っていたという私の訴えも、夫に理解してもらうことはできなかった。
あのときに、この本に出会っていれば。
何度も何度もあの頃を思い出しては後悔して、あの時ああしていればこうしていればと苦しくて。
けれど、「おわりに」に書かれていたこの言葉に救われた。
気がついたところで立て直せばいい。何回しくじっても、親子なんだから大丈夫。自分のこころの根っこにある愛を信じて、何度でも立て直せばいい。
どんなに後悔しても、過去はやり直すことができない。
次男が本来の自分の力を取り戻すまで、私はこの命ある限りサポートするし、彼の生きる力を信じて、安心できる場所を作り、彼を見守る存在になりたい。
この本に出会えて本当によかった。