次男の話
ここ1年くらい、ずっと低迷が続いている次男。
それでも、良くなったり悪くなったりを繰り返していたのが、ここ数ヶ月は悪くなったきりあがってこない。
先日の通院で、昔飲んでいたお薬が復活した。
少量から飲み始めて少しずつ以前飲んでいた量まで増やしていく。
これでまた少し変わればいいなと思う。
好きなことをする元気もなく「死にたい」と言っていた頃に比べれば、今はゲームをしたりネットのお友達と楽しく話すことはできているので、その点は安心だ。私ともたくさん話してくれる。
昔のお薬が復活してから、表情が少し豊かになった……気がする。
気がするだけだけど。どうか良い方向に向かいますように。
次男が一番酷い状態だったとき、長男はまだ学生で、夫は働いていた。
私は週何日かはパート勤務。昼間家にいるのは私と次男の二人だけで、次男が元気なときは一緒に散歩に出かけたり、もっと元気があるときは、少し遠出をして遊びに行ったり、次男が大好きなゲームのコラボカフェにも行ったりした。
美味しいものをたくさん食べたし、なんだかんだと楽しい時間だった。
次男はどんどん元気になっていき、やりたいことができ、専門学校にも通った。
一年目は、時々休みながらも楽しそうに勉強していたけれど、今思えば、少しよくなったところで無理をしすぎてしまったのかなとも思う。
夏休みに、課題を仕上げるために、ほぼ毎日、朝から夜遅くまで学校に行くという日が続いた。今思うとよくそんなに通えたなと思うけど、きっと無理をしてしまっていたのだと思う。
そこからまた少しずつ坂をくだっていき、休学することになった。
コロナ禍もあって、家族4人がみんな家にいる生活になった。
外食も外出も、コロナで控えるようになった。
常に一緒にいるようになった夫が、次男への興味が薄いこと、そして時々冷たい言葉を次男に向けて言うことが気になっていた。
夫は恐らく無意識に放っている言葉。
少しずつ坂を下っていく次男に、私は何か理由があるはずだと、原因を探すようになった。
良いとき悪いときを繰り返しながら、ゆっくり良くなっていくという言葉を信じていたけれど、緩やかに坂をくだっている次男をなんとかしたいという思いがずっと胸の中にあった。
少しでも原因になりそうなものは改善したくて、父親から愛されていないと誤解してしまうかもしれないし、夫の次男への態度を少し考えてもらえるよう、勇気を出して夫と話し合ってみようと思ったら、話し合う前に話し合いを拒否された。
とっくに夫は私にも次男にも興味がなかった。
次男が不登校になった頃からきっとそうだったのだ。
薄々気づいてはいた。
周りが焦ってはいけないというのは重々承知しているので、心配しているという雰囲気は次男には伝わらないように、いつも笑顔で接して、辛い思いは自分の心の中だけにしまって、先生の前でだけ弱音を時々吐いている。
時間をかけてゆっくり治していく病気だからね、と言われる。
わかってる。わかってるけど、やはりどんどん悪くなる次男をどうにか助けることができないものかと毎日悩む。
何もできない自分が悔しい。
考えないようにしようと思っても考えてしまう。
何も解決しなくても、夫とこういう気持ちを共有して、元気をもらいたかったけれど。そういうふうにお互いを支え合うパートナーは、もうこの家にはいない。
(長男は次男のことを気にかけてくれるので、時々明るく次男のことを話し合ったりはしている。これにはとても助けられている)
先日、次男と雑談中の流れで、
「この家にいて嫌だなぁって思うことはある?」
と訊いてみたら、不満はないとの答えをもらった。
私が思うほど、次男はこの家の雰囲気を悪くは感じていないようで安心した。
夫への不平不満を、ここやXで発散してグッとこらえているのがいいのかもしれない。辛いけど、今は我慢のときだ。
今は外に出るどころか、日常生活もままならない次男。
食欲はあって、睡眠もしっかりとれているのが救い。
大丈夫。食べて寝ることができていれば、きっと元気になる。
いつかまた、次男と一緒に美味しいものを食べにいきたいな。
お薬、効きますように。
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