管理栄養士のお仕事紹介　番外編①

こんにちは、ナカジマ薬局管理栄養士の辻です。
今日は特定保健指導の実例をご紹介いたします。
（ご本人から公開の許可をいただいています）

対象者はAさん41歳男性。身長176㎝、体重108.7㎏の方です。
健康診断でコレステロール値とBMIでチェックが入り、管理栄養士が特定保健指導を行うこととなりました。
動機付け支援の方なので初回面談の後、3か月後に評価なのですが、社内の方なのでこまめにお話を聞ける機会がありました。

Aさんは健康診断の結果を受けて危機感を感じ（？）毎朝70分自転車に乗り、さらに往復1時間半の通勤にも自転車を使用。休日には150分自転車に乗っているとのお話でした。健診は2024年3月。管理栄養士との初回面談は7月。健診から面談までの4か月で、減少した体重は約3㎏。
運動量に対して思ったように体重が減らないとお悩みでした。

運動量に関して消費エネルギー量を算出してみるとAさんは平日1,737kcal、休日1,629kcalを消費していました。たしかにこの運動量だともっと体重が減っても良さそうです。

そこでお食事の内容を伺ってみると…
朝食はパン２つとお話しいただいたのですが、よくよく聞いてみると
毎日自転車に乗った後にコンビニのロールケーキ（1個当たり449kcal）とミルクレープのようなパン（1個当たり350kcal）を食べていたのです。
さらに、夜寝る前（！）にアイス（1個当たり374kcal）と炭酸飲料（ゼロキロカロリーのもの）を毎日摂取していることも判明。
さらにさらに、週に2回チートデイを設けスナック菓子を1袋（300kcal前後）食べていることも教えてくれました。

摂取している間食のエネルギー量は朝のパン（ケーキ）とアイスだけで1,173kcal
チートデイに関しては1,473kcalとなっていました。
だいぶ高カロリーな外食くらいのエネルギー量です。

Aさんに毎日召し上がっているもののエネルギー量をお伝えすると、大変驚かれ、体重があまり減らないことに納得されたようです。
そこで、まずは朝のロールケーキをおにぎりやサラダチキンに置き換えることにしました。また、アイスはやめられないとのことで、2回に1回別製品（1個当たり80kcal）に変更してもらうことにしました。

それから1カ月。体重は105.7㎏（－3㎏）、筋肉量はほぼ維持したまま体脂肪率が1.5％減少しました。「楽しみが奪われた」と嘆きながらも、朝のパン（ケーキ）は完全にやめ、夜のアイスは元のものの味が気に入っているので低カロリーのものではなかなか満足できないとのことでした。（どれだけおいしいアイスであるか熱弁されておりました）

初回面談から2か月後。対象者からSOSがありました。
お話を聞いてみると、朝自転車に乗るために5時に起き、以前より乗る距離も長くなったが、運動後にサラダチキンかおにぎりしか食べておらず、夜にはハマっている韓国ドラマを観るため、眠気覚ましとしてアイスを食べながら2時半くらいまで起きているとのこと。
痩せてきたけど最近ふらふらすることが多く、体力的に持たない気がするという訴えでした。

どう考えても睡眠時間が足りていないこと、朝ごはんを食べることができるのであればしっかり食べてほしいこと、寝る前に食べてしまうと疲れが取れにくいことなどお話して、下記のように目標を修正しました。
・自転車に乗っている最中におにぎりやアミノ酸ドリンクを摂取する
・朝ごはんに納豆ご飯または卵かけご飯とブロッコリー、野菜ジュースを摂取する
・眠くなったらアイスを食べずに寝る。アイスを食べるときはできれば半量にする

その後Aさんは元気を取り戻しました。

初回面談から3か月後。
体重は初回面談から－8.5㎏となりました。体脂肪率は3か月で－4.1％です。自転車に乗れる間は、食事にたんぱく質を摂取することを意識してもらいながら続けてもらうことにしました。
夜のアイスはどうしてもやめられないようですが、大きさは小さめのものとなりました。また、夜に小袋のスナック菓子を食べる習慣が新たにできてしまったようなので、ここからどうしていくか、冬季間に自転車に乗れない間の運動をどうするかなどがこれからの課題です。

今年度の特定保健指導は終了しましたが、月に1回の体組成計測定と健康診断結果の共有を約束していただきましたので、継続的に関わっていきたいと考えています。

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