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「ながはまコミュニティカレッジ」学園祭の授業が終了しました

11/30に滋賀県長浜市のさざなみタウンで開催されました
ながはまコミュニティカレッジ学園祭にて
「現代短歌を読んでみよう!」と題した授業を1コマ担当させていただきました。
お越しいただいた皆さま、誠にありがとうございました。
当日の案内や授業の準備などを行っていただいたスタッフの皆さまもありがとうございました。
私自身、大変貴重な経験をさせていただきました。
今回のお話が短歌に少しでも興味を持つきっかけになれば、嬉しく思います。
また、当日は他の皆さまの授業も幾つか受けさせていただき、とても有意義な一日となりました。

今回の授業で取り上げた短歌は以下のとおりです。

〇和歌の例
 この世をば我が世とぞ思ふ望月の欠けたる事も無しと思へば 
          藤原道長 (藤原実資『小右記』より)
  
〇近代短歌の例
 ふるさとのなまりなつかし
 停車場ていしやばの人ごみの中に
 そをきにゆく
          
          石川啄木『一握の砂』(東雲堂書店 1910.12)
 
〇現代短歌の例
 「寒いね」と話しかければ「寒いね」と答える人のいるあたたかさ
          俵万智『サラダ記念日』(河出書房新社 1987.5)
 
 リビングにトートバッグをつるすとき絵柄はちょっとした照明だ
          岡野大嗣『音楽』(ナナロク社 2021.12)

〇現代短歌を読んでみよう!
〈生き物の歌〉
 だめな日はだめなままでもいいような 雨の日の猫をみてごらんなさい
          仁尾智『いまから猫のはなしをします』
             (エムディエヌコーポレーション 2023.3)

 手に負えない白馬のような感情がそっちへ駆けていった、すまない
          千種創一『砂丘律』(青磁社 2015.12)
 
 行く先を告げあうことはないのです鯨の母子生きわかれゆく
          東直子『十階』(ふらんす堂 2010.12)
 
〈仕事の歌〉
 注射針刺せば跳ぶウシ沈むウシみんなおしりに痛覚を持つ
          久永草太『命の部首』(本阿弥書店 2024.9)

 紙に触れてばかりの師走 指先に細かい傷を残して終わる
          岡本幸緒『ちいさな襟』(青磁社 2020.8)

 「トリプルルッツ」残業に飽きくるくると回るまよなか部長の椅子で
          ユキノ進『冒険者たち』(書肆侃侃房 2018.4)
 
〈食べ物の歌〉
 わたしたち働く駒でオムライス崩してゆけばあかるい夜だ
          野田かおり『風を待つ日の』(青磁社 2021.7)

 鯖缶のぶつ切りの鯖 この鯖の身体が別の鯖缶にもある
          千葉優作『あるはなく』(青磁社 2022.12)

 バゲットを一本抱いて帰るみちバゲットはほとんど祈りにちかい
          杉崎恒夫『パン屋のパンセ』(六花書林 2010.4)
 

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