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歌のない曲の話

普段曲を作るときは、
2つのことを合体することで生まれる。
歌にしたい内容を言葉にする。
ギターでリフを作る。
歌の伴奏としてなんでもよければすぐできちゃうけど、
せっかくなら自分で何回でも弾いて楽しいようなギター(のコード感)に、
歌を乗せたい。
曲が素体(歌とコード伴奏)になっても、
いいなと思える曲にしたい。
そうでないとせっかく作っても興味を失ってしまうし、
一度歌詞と組み合わされたフレーズは、
もう他に転用できないツガイとなってしまう。

昨日は結構難産だった。
ギターを弾きながらリフを作っていて、
3種類お気に入りのリフができた。
コードを弾きながら1、2弦でメロディを弾くタイプのものだ。
でもどれにも歌のメロディーがハマらない。
そのリフにあう歌を入れればいいんだけど、
ギターでメロディを弾いてしまっている。
歌がぶつかって良いものにならないなぁ、
とずっと悩んでいたところ、
あるリフの後にもう一つのリフが続くといい感じになることがわかり、
その後に最後のリフを続けるとそのまま曲になってしまった。

そんなことはさておき、
ポップしなないでの夢を見た。

ポップしなないでのことで知っているのは、
ドラムのかわむらさんがTHIS IS JAPANだということ、
あとはゴッドタンのエンディングに採用されていてすごいと思った、
あとツイートが面白くて好き。それだけなのに夢に出演してくれた。

夢の概要は、ポップしなないでさんの結成までのエピソードだ。
完全にぼく(の脳)が勝手に考えたストーリーだ。
学園が舞台の戦争ドラマだった。
かめがいさんが機関銃を構えて何か叫んでいた。
銃声がなった覚えはなく、
とにかくみんなで逃げていた。
階段を踊り場から踊り場まで飛び越えたり、
。。。

と思ったのだが、忘れてしまった。
最後に、え!この二人がポップしなないでだったの!?
とびっくりするとんでも展開にハッとしたことだけ鮮明に記憶している。
それまでの経緯が思い出せない。
なんか学園の屋上で誰かが叫んでいて、
校庭から「なぁに〜?」って言っていたような気もする。
とにかくタイヤとか缶とかのガラクタの大きな山の上に旗を立てて、
大きな丸めがねを掛けたかめがいさんがなんか叫んでいて、
かわむらさんはその山を登っていたかなにかだった気がする。

面白かったのに、何が面白かったかは言語化できないのは昔からで、
今回は夢だし夢って忘れるもんだしまぁいいとしても、
でも人に伝える努力をしてこなかったというのもあるかもしれないし、
面白かったという残り香だけ残して忘れてしまうのが結構コンプレックス。
小説、映画、アニメ、漫画、見たことも忘れるし、
内容もシーンだけ覚えていて人に魅力を伝えられるほどの情報量が、
頭に残っていない。あと登場人物の名前がまったく残らない。
佐久間宣行さんは人に面白さを伝える能力が人よりあるなとあるとき自覚して、それを強みに社内で奮闘したとラジオで言っていたけれど、
それを聴いたとき、
あーそれ自分に足りてないやつだと思ってショックだった。
「人にコンテンツの面白さを伝える能力」
と言語化されてしっくりきてしまった。
人に面白さを伝えることができなければ面白いコンテンツは作れない(企画を通せない)とおっしゃっていて、
いや本当にそうだな面白いなと思ったのだ。
この前こんな映画を見てね、こういう人がこうなったお話でね、
とたとえばドライブデートとかで話すんだけど、
何が面白いのか自分で言語化できないので、
全然盛り上がらないで話が終わってしまう。
でも同じ映画を見て同じところをいいと思った人や、
ぼくの話を聞くのがとても上手な友人は勝手に理解してくれて話を盛り上げてくれる。
あとはまさに読み終わった後の超絶涙の小説のプレゼンはうまい。
「蜜蜂と遠雷」(恩田陸 著)を読み終えたとき、
たまたま福岡出張で友人というか先輩の弥栄さんにお会いすることがあり、
宿泊先のホテル前で蜜蜂と遠雷の熱さを怒涛のしゃべくり漫談した際、
設計さんさすがプレゼン上手いですねぇと言っていただけたことがあった。
えっ///
好きな作品の紹介を褒められることはほぼないので、
泥酔していたけどその弥栄さんとの小説話は鮮明に覚えている。

今では蜜蜂と遠雷のストーリーはほとんど覚えていない。
でも音楽を演るものに限らず創作をする全ての人間に共通する思いや感情がさまざまなタイプのピアニストの視点から描かれていて、
共感すること間違いなし。
読めば確実に面白いので、積極的に貸した単行本はまだ返ってきていない。
もっと、こういう立場の登場人物が、こういう場面で咄嗟にこんなこと言っててここにぼくはすごく共感して面白かったんですよ〜!
と言いたいけど、覚えていなくてできないのが残念だ。

でも最近唯一人に伝わるプレゼンがある。
シンガーソングライターの君島大空さんについてだ。
とにかくいい、日本が誇る天才だ、聞けばわかる、
一番ハッとした歌詞があってね、

「あなたがどれほど美しいのかを言いふらしてまわりたいよ」

っていうわけ。
それを満開の桜並木の下を歩きながら聞いて、
好きな人のこと思い浮かべて胸が「うっ」なって、
たまらなかったんだよね。

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