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「人間の直感は間違う」

今から7年ほど前の話

「人間の直感は間違う」
書店でぶらぶらしていると平積された本の帯に、この言葉が大きく書かれていた。
なぜだか、その言葉に強く惹かれ、すぐに本を手に取った。

中をパラパラとめくると、非常に興味深い内容で、迷わずに購入した。
その書籍はマイケル・ルイス著、タイトル「かくて行動経済学は生まれり」
行動経済学の生みの親、ダニエルカーネマンとエイモス・トヴェルスキー、二人の天才科学者の物語である。

その後、マイケル・ルイスのベストセラー『マネー・ボール』を読み、
ダニエル・カーネマンの名著『ファースト&スロー』にたどり着いた。
『ファースト&スロー』は私の人生を変えた一冊と言っても過言ではない。
その人生の一冊に私を導いてくれた書籍が『かくて行動経済学は生まれり』であり、その帯に書かれた言葉が「人間の直感は間違う」であった。

「人間の直感は間違う」とはセンセーショナルな言葉だが、正確には
「人間の直感は間違いやすい。」し、「人間はちゃんと時間をかけて考えれば正解を出せるのに、直感的に解答してしまい、間違えることがままある。」ということである。そして、一番の問題は、人間がそのことに無自覚なことである。

この本と出会ったことで、様々な問題に直面した際、「直感的に判断してしまっていないか?」「ちゃんと理論的に考えているか?」を問いながら自分の思考と向き合えるようになった。

また、自分が直感的に考えてしまっていたために、誤った判断をしてしまったことを後々に気がついた場合も、「これは人間本来の性質だから、しょうがないか…」と考えることができ、誤った判断をした自分自信を過剰に責めることは無くなった。そのおかげで、メンタルヘルス的にも非常に楽になったように思う。

「人間の直感は間違う」
この言葉に惹かれた私の「直感」は間違っていなかった。

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