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恋愛・家庭・不倫……時代によって善悪は変わるのか?トルストイの『アンナ・カレーニナ』①

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今月は、トルストイの『アンナ・カレーニナ』を取り上げます。

トルストイといえば、近代文学を代表する世界的文豪です。

同時代に活躍したドストエフスキーと並び、ロシア文学の世界的存在感を一気に引き上げた立役者でもあります。

長編が多く、登場人物も多いですが、ドストエフスキーと比べると、ストーリーの筋書きも比較的シンプルで分かりやすく、王道の名作、ともいうべき作品が多いのが教養としては概要だけでも知っておきたい名作の数々!!

『アンナ・カレーニナ』と共にトルストイの代表作として有名なのが、『戦争と平和』です。

今、世界で戦争が起きている中で、まさに旬の話題かもしれません。

ただ、『戦争と平和』はかなりの長編であり、ストーリーのご説明にやや時間がかかる大作です。

まずは、話の内容が比較的分かりやすく、考えさせられる議論もしやすい『アンナ・カレーニナ』の方をピックアップさせていただきますね。


※あらすじは、米川正夫訳『アンナ・カレーニナ』(角川文庫)等を参考に、著作権に抵触しないように要約・リライトしたものです。




『アンナ・カレーニナ』―世界的文豪トルストイの描く恋愛・家庭・不倫


レフ・トルストイ(1828~1910)

ロシアの文豪、思想家。
伯爵家に生まれるが、幼少期に両親を亡くす。
二十三歳で軍務に就くと同時に執筆活動を開始。
教育事業や農地改革、貧困層の支援にも積極的に取り組んだ。
結婚後は領地で創作活動を行う。
道徳的・宗教的著作や思想を世に問い、晩年は信奉者が国内外から集まったことで、家庭の不和を招く。
末娘を連れて家出をするが、鉄道駅で肺炎のため死去。

代表作品:『戦争と平和』『イワンの馬鹿』『復活』など


【書き出し】


すべて幸福な家庭は似通っているが、不幸な家庭はそれぞれに不幸の趣を異にしているものである。


【名言】


十人十色というからには、心の数だけ恋の種類があってよいのではないかしら。


嫉妬は恥ずかしい、卑しむべき感情


人間に理性が与えられているのは、人間を不安にするものから、のがれさせるためですわね。


【あらすじ】(後編)


ペテルブルグに住む政府高官カレーニンの妻アンナ・カレーニナは、列車でモスクワに向かっていた。
浮気が原因で妻のドリイに別居を宣告されている、兄のオヴロンスキーに呼ばれたためだ。

モスクワ駅でアンナは、青年将校のヴロンスキー伯爵に会う。

アンナを一目見たヴロンスキーは、彼女に心を奪われた。

その直後、線路番が列車に轢き殺されるという痛ましい事故が起き、アンナは何か不吉なものを感じるのだった。



オヴロンスキー家に到着したアンナは、ドリイを説得し、夫婦は無事に和解した。

モスクワに来た目的を果たしたアンナだったが、その存在は社交界に思わぬ波紋を投げかけつつあった。

アンナに関心を寄せ始めたヴロンスキーは、ドリイの妹のキチイが心を寄せる相手であったのだ。

キチイは自分の結婚相手を、父の推す地方の地主リョーヴィンか、母が賞賛するヴロンスキーかで悩んだ末、リョーヴィンの求婚を断り、ヴロンスキーに心を決めていた。

ところが、ヴロンスキーは舞踏会でアンナと踊ると、すっかり彼女の虜になり、キチイから離れてしまった。

両者を失ったキチイは、失意のうちに病気になってしまう。



一方、アンナも、舞踏会をきっかけにヴロンスキーに心惹かれ、そんな自分に動揺して、舞踏会の翌日に急遽、ペテルブルグに戻ることにした。

ところが、その道中、アンナを追いかけて同じ列車に乗っていたヴロンスキーに会うと、アンナは胸の高鳴りを感じた。


カレーニンとアンナとの結婚は、アンナの伯母が彼に結婚を勧め、後先引けなくなってのものだった。

それでも、八年間の結婚生活で息子セリョージャを授かり、カレーニンの仕事は順調で、アンナも息子を愛していた。


ペテルブルグの社交界で、アンナはたびたびヴロンスキーと顔を合わせた。

彼女は、ヴロンスキーとの関係は身の破滅につながる罪深いことであると知っていたが、夫に問いただされても答えをはぐらかし、いつしかヴロンスキーと深い関係に陥るのだった。


やがて、アンナはヴロンスキーの子を身ごもる。

ヴロンスキーは駆け落ちを提案するが、息子と離れたくないアンナはそれを拒否した。


ある日、アンナは夫と共に競馬を観戦した。

その競馬にはヴロンスキーも出場していたが、トップに立っていた彼がゴール直前で落馬すると、多くの人が見ているにもかかわらず、アンナは思わず取り乱してしまう。


その帰り道、馬車の中でアンナは夫に、

「私はあの方を愛しています。私はあの方の情婦です」

と、泣きながら告白した。

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