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「バレンタイン大戦争💖」 #20字小説+育児日記




どうして男の子しかチョコをもらえないの?






【完】(20字)

#20字小説


本稿は、「#20字小説」の作品です。
「20文字で小説を書く」というルールに沿って仕上げました。



【育児日記】

バレンタインの風は子供たちの間にも吹いています。

3歳だろうが5歳だろうが、避けて通れないのが人付き合いというもの。

バレンタイン行事では、「誰が誰に何をあげたか」、「自分は何人からチョコをもらったか」などが明らかになり、ちょっとずつ個人差があることを気にしはじめるものです。

我が家の子供たちは、幼稚園にてバレンタインの洗礼を受けました。

息子は果たして、バレンタインチョコをもらえたのだろうか?

そんなことを考えながら、私は幼稚園にお迎えにいきました。

すると、幼稚園から出て来た息子は、嬉しそうにホクホクした表情をしているではありませんか。

「Iちゃんから、チョコクッキーもらえたの!」

どうやら同じクラスの女の子から、ハート型のバレンタインクッキーをもらったようです。

満面の笑みの息子を見て、自然と私も嬉しい気持ちになります。

「良かったね」

バレンタインの収穫があったことを喜んでいると……

「うぇ~~ん!!」

意外なところから泣き声が……。

なんと、息子の後に幼稚園から出て来た娘が泣いているではありませんか。

驚いた私が、「どうしたの?」と聞くと、彼女は兄のもらったチョコクッキーを指差しています。

「なんで今日、お兄ちゃんしかチョコをもらえないんだよぉ💦」

どうやら娘は、「自分がお友達から何ももらえず、兄のみがチョコをもらえる」現象が理解できず、本格的に嘆いているご様子なのです。

たしかに「バレンタインは女の子が男の子にチョコをあげるもの」というカルチャーは、一体誰が決めたのでしょう。

もちろん、幼稚園レベルでは男の子・女の子問わずにお菓子を渡し合うこともありますが、男の子の分しかチョコを用意していない女の子もいますよね。

娘には、「女の子が男の子からお菓子をもらえるホワイトデーもあるんだよ」と伝えてみたのですが、全くその概念は通用せず。

「ダメ!今日ほしいの!」

帰り道でおいおい泣いています。

「おにいちゃん、ちょっとNちゃんに分けられる?」

と聞いたものの、兄は

「ダメ!これはTちゃん(自分)がIちゃんからもらったの!」

と断ります。

「ずるいよぉ~~!!」

妹の泣き声はますます大きくなるばかり。


可哀想になった私は、少し甘めな提案をしてしまいました。

「じゃあ、Nちゃん(娘)がチョコをもらえなかった分、今日はおうち帰ってからチョコアイス食べようね」

すると、すかさず、息子が乱入!

「え!チョコアイス?Tちゃん(自分)も食べる!」

もちろん娘も、

「なんでお兄ちゃんはチョコもあるのに!ずるい!」

と応戦。

「チョコとチョコアイスは違うの!」

「ダメ!アイスはチョコ食べれなかったNちゃんだけなの!」

と不毛な戦いが続きます……。

(なぜ、個別にこっそりとアイスの話をできなかったのだろう……)

と母としての未熟さも自覚しつつ、私は次のような提案をしました。

「分かった!Nちゃんはアイスを一個食べる。Tちゃんもアイスを食べていいけど、ママと半分こね」

すると、Nちゃんからは「OK」をもらえたものの、Tちゃんは「ダメ!」とな。

もういいや、なぜこの人たちは譲れないのだろう……と疲れつつ、帰宅後には二人ともにチョコアイスを1本ずつ与えました。

そして、一心不乱に食べ始める二人。

彼らのアイスを、すかさず「ママにも分けて」と食べて減らしまくることで、一日のお菓子の総量を減らしていきました……。

その間も、ママに食べられたアイスの量が、自分の方が多いとか、相手の方が多いとか、二人は指摘し放題……。

もうええわ、ええ加減にせい!ということで、とりあえず夕食のカレーを残さない約束をさせて、バレンタイン大戦争は幕を閉じました。

お互いにゆずらない不毛なバレンタイン大戦争。

来年は少しでも譲り合える二人に成長してほしいものです。


くだらない育児日記でしたが、ご覧下さり誠にありがとうございました🌟





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