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#6 目標設定が難しいと感じたときの対処法
今回#6では、スポーツだけでもなくビジネスでも使われるような「目標設定」をテーマに取り上げます!目標設定は身近であるものの、軽視されがちであり、逆にここを集中的に取り組める人は一気に結果に繋がることができます。そこで、今回は目標設定したものの、これを達成するのが難しいなぁと感じた時にどうすべきかをまとめてみました。ぜひ少しでも参考になれば幸いです!
1. スポーツと目標設定の関係性
目標設定は、スポーツ選手にとってパフォーマンスを向上させるための重要な要素です。目標設定はモチベーションの内容だけではなくて、メンタルスキルにも大きく直結するというのが重要なポイントです。明確な目標を持つことにより、練習やトレーニングにおいて集中力やモチベーションが高まり、目指すべき方向性が明確になります。指導者にとっても、選手の成長を促すために適切な目標を設定するスキルは非常に重要です。
モチベーションの源泉
目標は、選手にとって目指すべき明確なゴールです。具体的で達成可能な目標を設定することで、選手は日々のトレーニングに意味を見出しやすくなります。「どこに向かって進んでいるのか」が明確であれば、トレーニング中の苦しさや困難を乗り越えるエネルギーに変えることができます。
たとえば、「1年間でタイムを1秒縮める」や「シーズンで10ゴールを達成する」といった目標は、日々の努力が具体的な成果に結びつくため、やりがいや達成感を感じやすいです。
フィードバック
目標を設定することは、選手が自分の進捗状況を確認するための指標にもなります。定期的に目標を見直し、達成に向けた進捗を確認することで、自分が成長していることを実感できます。高度なレベルになる程、この成長を実感する機会も少なく、自信を失いやすくなってしまいます。成長を実感できているときは、皆さんなんとなくやる気もありますよね。これは実体験でも理解できるかと思います。
精神的な強さの向上
目標を持つことで、選手は困難に直面したときに精神的な強さを発揮しやすくなります。長期的な目標を設定することで、失敗や挫折があってもその過程を一時的なものとして受け入れやすくなり、再び前に進む力を養うことができます。「一度の失敗で終わりではない」「失敗を経て成長するのが当たり前」と理解できるため、メンタル面での強化が促されます。
チーム目標との調和
個人の目標とチームの目標が調和していることも重要です。個々の選手が個人目標を達成しつつ、チーム全体の成功にも貢献できるようにすることで、個人とチーム双方のパフォーマンスを最大限に引き出すことが可能です。たとえば、サッカーチームでは「アシスト数を増やす」といった個人目標が、チームの勝利に直結することもあります。個々が目標を達成することで、チーム全体のパフォーマンスが向上し、勝利への貢献がより強く実感されます。
2. 適当な目標設定の落とし穴
多くの選手が目標を「適当に」設定してしまうことがあります。たとえば、達成が難しすぎる目標や漠然とした目標を立てると、結果的にモチベーションが下がったり、目標から遠ざかってしまうことがあります。適切でない目標設定はストレスや焦りの原因となり、逆にパフォーマンスに悪影響を及ぼします。
非現実的な目標を設定することのリスク
選手が自分の実力や状況を正確に把握できていない場合、非現実的な目標を立ててしまうことがあります。初心者が短期間でプロレベルの技術を習得しようとするような非現実的な目標は、いくつかの負の影響を生じさせます。
• 挫折感の増加
無理な目標に挑戦しても、期待通りの成果が出せないことで失敗感や無力感を強く感じます。この挫折感はモチベーションを大きく損なう原因となり、やる気が失われてしまうことがあります。
• 自己評価の低下
達成不可能な目標を掲げ続けることで、自分自身の能力や努力に対する信頼が薄れ、自己評価が低下してしまうことがあります。「どうせできない」と考えてしまい、さらにモチベーションが下がる悪循環に陥ることもあります。
漠然とした目標の危険性
目標が曖昧で具体性を欠いていると、その達成に向けた道筋が不明確になり、効果的なトレーニングや行動計画が立てられません。たとえば、「もっと速くなりたい」や「試合で勝ちたい」といった漠然とした目標です。
• 行動計画が立てにくい
目標が漠然としていると、何を具体的に行うべきかが不明確になります。結果として、選手は日々の練習やトレーニングでどのように努力すれば良いかが分からず、ただ漠然と努力してしまい、効果的な成果が得られないことがあります。
• 達成感が得られない
目標が不明確なため、達成できたかどうかを判断する基準が曖昧になります。達成感や成功体験を得る機会が減り、モチベーション維持が難しくなるのです。
他人任せの目標設定
時には、コーチやチームメイト、親などの周囲の期待や目標をそのまま採用してしまうことがあります。自分の意志や状況を十分に考慮せずに、他人に言われた目標に従ってしまうと、以下のような問題が生じます。
• 内発的モチベーションの欠如
他人の目標に従うだけでは、自分の意思が反映されないため、内発的なモチベーションが生まれにくくなります。自分自身が達成したいと心から思っていない目標は、長期的に努力を継続する動機にはなりません。
• ストレスの増加
他人の期待に応えようと無理に頑張ることで、精神的なプレッシャーやストレスが増大します。このストレスは、パフォーマンスに悪影響を及ぼすだけでなく、場合によっては心身の疲弊を引き起こす原因にもなります。
長期的視点の欠如
短期的な成果に焦点を当てすぎて、長期的な目標設定が疎かになることも落とし穴の一つです。例えば、「来月の試合に勝つことだけが目標」としてしまう場合、選手の成長が短期的な結果だけに左右されることがあります。
• 持続的な成長が見えにくくなる
長期的な視点を欠いた目標設定は日々の成長を評価しづらく、選手が自分の進化を感じにくくなります。結果的に、一時的な成果が出ないときに自信を失いやすくなります。
• 怪我や燃え尽きのリスク
短期的な結果を求めることで無理を重ねてしまい、身体的な怪我や精神的な燃え尽き症候群(バーンアウト)を引き起こすリスクが高まります。しか足、これは逆も然りなんです。長期的視点のみだと、継続的なやる気を引き出すのが困難なので、両方うまく使いこなすことが重要です。
適切な目標設定には選手自身の現状を正確に把握し、段階的かつ達成可能な目標を設定することが不可欠です。適当な目標設定を避けることで選手は自分の能力を最大限に引き出し、長期的な成長と成果を達成できるようになります。
3. 難しい目標設定との向き合い方
目標設定が難しく感じる時、まずはその理由を探ることが大切です。
① 自分の能力と目標が乖離しているのか?
② 具体的な行動プランが立てられていないのか?
③ 外的要因(環境や時間)が影響しているのか?
①自分の能力と目標が乖離しているのか?
現在の自分の能力と設定した目標との間に大きな差がある場合、達成が困難に感じられ、モチベーションが低下しやすくなります。無理に高すぎる目標を追求すると、失敗感が強まり自己評価が下がるリスクにもつながります。
②具体的な行動プランが立てられていないのか?
目標が明確であっても、具体的な行動計画がないとどう進めて良いか分からず、結果として進展がないことがあります。行動プランが不十分な場合、目標達成が遠のくことになります。
③外的要因(環境や時間)が影響しているのか?
環境や時間の制約が目標達成に影響を与えることがあります。練習の場所や設備、時間の制約など、外的要因がパフォーマンスやモチベーションに悪影響を与える場合があります。
これらを確認し、目標が現実的かつ具体的であることを確認するステップを取りましょう。また、大きな目標を小さなステップに分解して達成感を得ることがモチベーション維持につながります。
4. 目標達成が難しいと感じた時の対処法
目標達成が難しいと感じた場合の具体的な対処法をいくつか紹介します。
1. 現実的な見直し
目標が高すぎたり達成期限が厳しすぎたりする場合、達成が困難になり、モチベーションが下がることがあるのは前述のとおりです。目標が挑戦的であることは良いことです。しかし、無理な目標を設定すると挫折しやすくなるため、現実的な目標に修正することが重要です。自分の現在の状況や環境、リソースを考慮し、達成可能な範囲に調整しましょう。
2. サポートを得る
目標に向かって進む過程で、指導者やチームメイトからフィードバックやアドバイスを受けることは非常に有益です。第三者の視点から目標達成に向けた具体的な助言をもらうことで、自分では気づかなかった改善点や新しいアプローチが見つかることがあります。また、サポートを得ることで心理的な支えにもなり、モチベーションが維持しやすくなります。
3. 小さな成功体験を積み重ねる
大きな目標に向かう途中経過として小さな目標を設定し、それを達成していくことは非常に効果的です。スモールステップを踏んでいくイメージです。小さな成功体験を積み重ねることで達成感を感じ、自己効力感(自分にはできるという感覚)が高まります。これが次のステップへのモチベーションに繋がり、最終的には大きな目標に到達しやすくなります。いきなりフルマラソンを完走するという目標は難しい一方、「今週は10キロを完走する」という小さな目標を設定し、達成感を味わいながら進むイメージです。
4. 自分を過度に責めない
目標に到達できなかったとき、自分を責めすぎるのは避けるべきです。失敗や遅れは成長の過程の一部であり、それ自体が学びの機会となります。過度に自己批判をするのではなく、どこが改善点だったのかを冷静に振り返り、次に活かすことが重要です。自己批判が強すぎるとモチベーションが低下し、結果的にパフォーマンスも落ちる可能性があります。
試合でうまくいかなかったことに対して「自分はダメだ」と考えるのではなく、「今回の失敗から何を学べるか」と前向きに捉えるようなイメージです。
目標設定はいかに重要か。また、どのように取り組むべきかはたくさんのやり方があり、一辺倒な指示ではなくその人にとってベストな目標設定の仕方があります。本気で向き合い方はぜひ一度お問い合わせいただけると嬉しいです!
中里匠吾
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