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人間のトイレに豚がいた!人と生きる豚の歴史
これは、豚の歴史を調べていて、とても衝撃的だった話。人間の生活に密着して生きてきた豚には、驚くべき歴史があったのだ。
人間のウンチを食べる豚
豚は、とても雑食だ。
草や芋、ドングリなどを食べているイメージだが、昆虫やミミズだって食べる。かつて人間の食事の食べ残しで飼育されていた時代もあった。
「高床式の家に住んでいた人間は、その床下に豚を飼い、上から残飯などを落として、育てていた」らしい。
それだけではない。
なんと、人間の排泄物まで与えていたのだ。
これは日本だけの話ではない。「豚小屋と人間のトイレが同じ建物にあった」という文化は、世界にいくつも存在する。
「豚便所」
豚便所とは「便所」と「豚小屋」が一体化したものだ。
これは、豚小屋の上部や横に、ボットン便所(落下式便所)を設置して、人間が用を足すと、ブタが人間の大便をエサとして処理してくれる仕組みだ。
日本には、沖縄の「フールー」と呼ばれる豚便所があった。世界では、中国、台湾、韓国、ベトナム、インドなどにも、豚便所の歴史がある。
(日本では、寄生虫病の問題から戦後廃止されている)
![画像2](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/58069691/picture_pc_27ff8436d897c7771504b5813aa9cef1.jpeg)
人間の排泄物を与えるといっても、豚が尿を好んで飲むことはない。しかし人間のウンチには、野菜など未消化の栄養分があるため、エサとして食べてくれるのだ。
もちろん、豚を飼育するにあたっては、人間のウンチだけでなく、藁などのエサも与えていた。そこで、そのまま藁を与えるのではなく、用を足して紙でお尻を拭く代わりに藁を使い、それを豚に与えることもしていたそうだ。
上野動物園には、こんなパネルがあった。
![画像1](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/58069060/picture_pc_930af4d6a5ce3db42b39a3f6ecedd118.jpeg?width=1200)
これはまさに「豚便所」だ!
豚さんの展示と一緒に「豚便所」の写真とは、動物園もすごいチョイスだ。このパネルには、便所としての説明はない。詳しいガイドにでも聞かない限り、これが豚便所だなんて知り得ることもないだろう。それ以前に、この写真が何なのか、興味を持つ人自体、少ないかもしれないが。
いずれにせよ「豚便所」は、豚の歴史を語る上では、重要な存在であることには違いない。
豚は人間がつくりだした動物
豚は人間の暮らしと共に生きてきた。
そもそも、豚は人間がつくりだした動物なのだ。
豚の祖先はイノシシだ。豚は、野生のイノシシを家畜化した動物だ。人間に飼い慣らされていくうちに、食べて寝るだけの生活で、体に脂肪が沢山ついて、大人しい性格に変化した。そして、現在の豚の姿になった。
「豚便所」の起源には、こんな話もある。
約9000年前に野生のイノシシを人家の近くで飼い、家畜としてのブタが生まれた後、草むらで用便をするとブタが寄ってくるということが経験的に知られ、また、放し飼いでは落ち着いて用便もできない問題が生じ、これらを解決できる方式として考案されたと考えられる。
きっと現在の飼い慣らされた大人しい豚に進化するまでは、色々な苦労があったのだろう。草むらで用を足していると、ウンチを狙って豚が突進してきたかもしれない。それゆえの豚便所であり、そこで飼育されたことが、豚の性格や体格の進化にも大きく影響しているのだ。
「豚便所」
少し乱暴な名前だけど、そこには、すごい歴史があったのだ。
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