猫のしあわせ②
弟猫の物語
以前に猫ボランティアをしていた某神社に遊びに行ったのは落ち葉が広がる寒い曇り空の日でした。
落ち葉のふかふかを楽しみながら散歩をしていると、トイレの建物わきに落ち葉に埋まりながら子猫が顔を出していました。
拾い上げ手に抱くと、片手に収まってしまうほど小さな子猫でした。
まだ目が開いたばかり、顔は目やにで汚れ体はやせ細り見るからに衰弱してました。
「たぶんダメだな・・・」長年 猫と生活しているぼくは心の中でつぶやきました。
あたりを見回しても母猫の姿は無く、捨てられて間もないようでした。
手に抱いたその命、ぼくの顔を見るや「ピャー!ピャー!」と力強く鳴きだしました。
家にはもう猫飼ってるし・・・これ以上飼えないよな・・・。
しかし
手に伝わる小さな温もりを寒空の落ち葉の中へ戻すことはできませんでした。
病院で診察してもらうと、衰弱具合から長くは無いかもと先生から伝えられました。
幸いミルクは飲んでくれました。
ほぼ寝ないでの看病とミルクやりをした3日間はぼくは一生忘れないないでしょう。
最初は新入りに警戒していた先住猫がぼくの寝ずの看病に見かねたのか
子猫に寄り添い、抱きしめて一緒に寝始めました。
先住猫はオスでしたが、まるで母猫のように寄り添いぼくの代わりに看病をしてくれました。
理屈では考えられない愛の姿を感じたことを昨日のように覚えています。
その甲斐あってか子猫は健康を取り戻し、兄猫とほぼ変わらないくらい大きく育ちました。
じゃれ合いケンカもしますが、いまだに一緒に寝ている姿を見るたびに
家族として迎えて良かったと幸せを感じます。
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