【挿絵あり】№16_召喚術の授業は××な魔物と、 (月下美人系魔物 VS 安全第一なぼっち学生)
【月下美人系魔物 VS 安全第一なぼっち学生】の召喚契約を巡る攻防を描く、割と現代的で現実的なファンタジーです。
№15~№●まではBL版・ブロマンス版、共通になります。
自称・湿原の領主様の繊細な気遣いなのか、この亜空間にはちゃんと昼と夜があった。
時計も置いてあり、針の動きや時間体感は人間の世界と変わらない。
そんな亜空間での僕の一日は――
睡眠によって回復した魔力を、目覚めと共に限界まで奪われる…
わけではなく。
コトン
「冷めないうちに食べろ」
目玉焼きが乗ったトースト、レタスとトマトのサラダ、オニオンスープ。
「い、いただきます…」
キッチンでの朝食から始まるのだった。
朝食に限らず食事は毎日3食、かの魔物が用意してくれる。
そしてその賄い人はいつも、僕が食べる様子をどこかそわそわと監視してくる。
なんでだ?何か変なものでも入れているのか?
(昨日の夜も、1/3位しか魔力を取られなかったな…)
”ここで、お前から魔力を搾取することもできる”
あの発言から僕は、ギリギリまで魔力を奪われてはひたすら魔力回復に費やすという、家畜じみた毎日を想像していた。
しかし実際は、搾取は一日置きで就寝前の1回だけ。
奪われる魔力も万全な状態の半分にも満たず、一晩ぐっすり寝れば余裕で回復できる量だった。
(搾取方法はれ、例の方法だし、丁寧な後始末も…心にくるものがあるけども…)
さらになんと、食事や搾取以外は基本的に自由に過ごせるのだ。
(ストレスや生活の質が魔力に影響するからか?
いや魔力搾取は単に、本当の目的を隠すためのカモフラージュなのでは…?)
不釣り合いな高待遇を有難いと思うと同時に、困惑と疑惑も生まれていた。
「…………」
(とにかく、まずは情報が欲しい)
魔物の意図や、脱出の可能性を探るためにも。
そう行動指針を定めた僕は、亜空間内の探索を始めたのだった。
自室、キッチン、洗面所、トイレ、浴室、図書室、書斎、東屋、外の花畑…
有り余る自由時間を使って一日2~3か所ずつ、探索魔術なども使って丹念に調べていった。
(魔術は使えるけど、召喚や転移魔術に使う門は構築できないみたいだな…
まあ人間用じゃない召喚門は論外だし、僕の技術じゃ転移魔術での脱出も無理だけど)
そして連れてこられて8日目となった今日。
未探索場所は、広大な花畑の1/3程度を残すのみだった。
(どれ…今日も探索をしていくか…)
今回はここまでにします~
ではまた~
1話目はそれぞれこちら↓
BL版↓
ブロマンス版↓
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