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【挿絵あり】№18_召喚術の授業は××な魔物と、 (月下美人系魔物 VS 安全第一なぼっち学生)

【月下美人系魔物 VS 安全第一なぼっち学生】の召喚契約を巡る攻防を描く、割と現代的で現実的なファンタジーです。
この№15~№●まではBL版・ブロマンス版、共通になります。


 
(魔術、魔術関連の本、魔界に関する本、召喚術に関する本……
 あ、あった)

図書室内を巡り、目当ての本を探す。
関連した本がまとまって配置されているので、分野の場所さえ見つけてしまえば探しやすかった。
易しそうな本を手に取り、目次、気になるページをパラパラと捲っていく。

(…うーん、ちょっと僕には難しい本だな)
自分にはまだ早い本を棚に戻す。
そしてもう少し噛み砕いた表現の本はないかと顔を上げた時、書斎の扉の近くまで来ていたことに気づいた。

図書室と扉で繋がっている書斎。
今日は中に自称・領主様がいるはずだった。

 

(いや別に、そんなに気にしなくても大丈夫なんだけど…)
なんとなく扉を見つめて、内側の様子を想像してみる。
窓を背にして置かれた大きい机、その横にもう一つの机。大きい机の対面にソファセットが一つ。あと壁際に棚や本棚がいくつか。

一日目の案内で書斎の中も一通り見て知っていた。
僕も使って良いと言われていたが、積極的に訪れようとは思わなかった。
(これ以上、あの魔物に気を許す訳にはいかない…)

 
圧倒的な力を持ち、それを使って自分を突然拉致した魔物。
召喚契約を結ばせるため僕をこの亜空間に監禁しているが、その真の目的は未だ闇の中。
テンプレ通りなら、契約後にもたらされるのは人間の死体の山々。

最大限に警戒すべき相手。
そんなこと十二分にわかっているはずなのに。
「………っ…」

なぜか自分の中の直感というか感覚が、いまいち警戒心を保とうとしないのだ。

 

現状ひどい扱いを受けていないから?
門を開かせるつもりなら、当分は殺されるような事はないだろうと高を括っているから?
自分に召喚契約を結ばせるカモ以上の、何らかの価値を見出している節があるから?
相手に自分を害する気が全くないこと、むしろ手厚いというか精一杯気にかけようとしている…
そういう空気感を肌で感じ取れるから、心から警戒できないのか…?

(それとも何か洗脳とか、魅了魔術の類でも使われてるんだろうか?)
でもそれにしては効果がまどろっこしい気もする。
いやきっと気づかれない事に重きを置いているんだろう。
というより、そう思っていないと危なかった。

まるで春が近づいてくるかのように、自分の警戒心が日を追うごとに氷解していく――
そんな音が聞こえてきそうなのだ。

 

「……、…」
監禁して外界との接触を断ち、その上で優しく…とまではいかなくても油断を誘う待遇 、態度で接する。
(あれか?北風と太陽みたいな作戦なのか?)
だとしたら、かなり人間の情緒を研究していると思う。
これは切実に注意喚起したい。今の僕には出来ないけども。

(あとあの…時々どもったり、意味不明の発言をしたり、そわそわしたりする不自然な言動。
 あれは一体何なんだ…?)

そこでふと、既視感のある甘い香りが鼻を掠めた。
 
 



今回はここまでにします~
ではまた~ 

1話目はそれぞれこちら↓
BL版↓

ブロマンス版↓



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