その目標(計画)はよくわからない??
直接携わっている仕事ではないのですが、若手管理職が中期経営計画を作成することになり、素案ができたので発表を見においでと誘っていただきました。事業計画・戦略づくりは関わったことがなかったので勉強がてら見学に行ってきました。
よくできているとは思うけど・・・
今回は次年度から3年間の事業計画の素案ということでした。
組織の中の優秀なメンバーが集まってとりまとめたものなので、よくできていると思いました。
・売上はいくらを達成する。そのために行う行動
・設備投資の金額はこのくらいを想定
・DXの推進
・MQ会計の導入
・業務の見直し、効率化
・評価制度の見直し
などなど・・・・
どれも必要なことだし、この計画に異論は全くありません。
しかしなんとなくピンとこなかったのです。なんでだろう???
まだ素案の段階だから?
人の視点がない
その答えは次の日にわかりました。
私が所属しているコミュニティーが主催している戦略人事の講座に参加してきました。
戦略人事とは経営戦略を実現する組織をつくることで
戦略的に組織をどう作っていくかを考えて実行することです。
業績をあげるには、「戦略(戦術)×実行」が重要です。
当たり前ですが戦略だけでは成立せずに「実行」が必要ということです。
実行するのは誰か?
これも当たり前ですが、「人材」です。自社の人材ということです。もちろん、自社だけでは足りないことも考えられるので、そういう時は外部人材を使うとか、新しい人材を採用するなどはあります。
しかし、それでも圧倒的に「今いる人材」がベースになることは明らかなので、戦略を考える時、自社にいる人材がどういう人材なのか?を視点として入れることが必要なのです。
上記の図は何度か登場していますが、マッキンゼーの7Sと呼ばれているもので、組織の成果を上げるためには7つの要素がきちんとつながっていることが必要です。
この図の左端の戦略の下に「人材」がつながっています。
戦略を実行するためにどんな人材がいるか、人材を考慮した上で戦略が立てられているかということが示されています。
師匠である石見さんの言葉を借りると、立派な戦略が「絵に描いた餅」になっていることが多いのは人材の視点が抜けていることがほとんどということでした。
そうなんです!ピンとこなかったのは、発表された素案を実行している社員の姿が想像できなかったからなのです。
ワクワクする感覚が必要
もう一つ大事な要素として、今回示された目標を「何のためにやるのか」という目的と、これが達成できた時に社員がどんな状態で働いているのか?どんないいことが待っているのか?というビジョン(映像)が必要です。
恐らくメンバーは会社の現状を考えて、やるべきことを洗い出し、これが達成できたら・・・とゴールと背景を共有していたと思うのですが、他の社員にこのまま目標を伝えても「ふ~~ん、それで」となることは容易に想像できました。
リーダーだけががんばっても経営計画は達成できません。
社員全員で、会社の目指すところを共有し、いろいろ大変かもしれないけど達成したらこんな未来が待っている。
チーム(部門)や個人の目標は誰もが会社の目指す姿に繋がっている。だから全員が目的・目標に貢献している。
なんだ、そんなこと?かもしれませんが、ワクワクする感覚がないと結局、どんなにきれいごとを並べても「自分ごと」にはならないと思うのです。
もう一度言いますが、戦略の実行するのは「人材」です。人材が自分ごとにして動いてくれないと目標は達成できないのです。
まあ、今回はあくまでも素案ということでしたので、この先OKRの手法を使って社員の方へ落とし込めるようにしていくようです。
どんな風に変化していくか楽しみです。