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仕事に厳しい上司も本当は素直?と思ったこと

回数限定で人材定着のコンサルに伺っているクライアント先で、仕事に厳しい管理職の方にお会いしました。
その時に感じたことを書いてみようと思います。


条件がいいのに人が辞める

この会社は事務職の定着に悩まれていました。人手不足とは言うものの事務職の有効求人倍率はまだまだ企業側に有利で、採用には困らないはずです。

この会社の採用条件を見ると決して悪いとは思えません。残業なし、立地も良い、給料も悪くない。

採用のプロセスを伺ってみると、採用のミスマッチは確かにあるとは思うのですが、そもそも採用した人が定着していれば新たな採用活動は必要ありません。

と、ここで気になる人物が一人。この事務職を管理する上司の方です。
非常にテキパキとした印象で、論理的に物事を話される。納得いかないことがあれば取締役にも物怖じせずに意見をぶつける。取締役もタジタジな感じでした。

もしかしてこの人?

マネジメントのズレ?

この方に部下に求める能力や仕事のやり方、ご自身がどう関わっているのか聞いてみました。

仕事一つ一つはそこまで難しくない。しかしその時々で何が必要か判断し、マルチタスクでこなしてほしい。
担当は決めずにお互いに状況判断をして、どちらも同じことができるようになってほしい。

ということで、それぞれ目標などはどのように話されているのか確認してみると「この仕事に目標は必要ですか?」「決まった仕事を同じようにできれば良いので、個人の差をつけるということはしません」という返事が返ってきました。

ここまで聞いてマネジメントがズレているのだと思いました。
求めている能力はそれなりに高いのに、機械のように動いてくれれば良いというように聞こえました。
それでは優秀な方が来たとしてもこの会社にいようとは思いません。

マネジメントの話の最初は「人の違い」

組織開発をしていて、マネジメントの問題はよく出てきます。
その時に最初に話すのは「人の違いを理解する」ということです。

・思考の特性(効き脳)
・欲求の違い
・行動特性

いつもこの3つの視点でお話しています。
実際に効き脳をこの上司の方にやっていただきました。効き脳診断はハーマンモデルというものをベースに、無意識に反応する脳の部分がどこかを診断します。おもに4つに分類します。


出典:『ハーマンモデル解説書-ABCD’s of Whole – Brain Technology』
(ハーマン・インターナショナル・ジャパン発行)

■効き脳A
「理論・理性脳」で、物事を理論的に捉えることができるが理屈っぽい
■効き脳B
「堅実・計画脳」で、計画を立てて実行していくことが得意だが融通が利かない
■効き脳C
「感覚・友好脳」で、人間関係を重視し友好的であるが、流されやすい
■効き脳D
「冒険・創造脳」で、新しいアイデアを考えだすことが得意だが、突拍子もない

ざっくり言うとこんな感じですが、これを抑えておくだけで自分と違う時になぜ違和感が出るのか理解できます。

この上司の方の結果は私が予想した通りでした。
この結果が良い悪いではなく、人によって違うのでその人の特性に合わせたコミュニケーションの取り方とか、仕事の任せ方をすることで個人の強みを活かした仕事ができるようになります。

また行動特性についても診断してもらいました。

■自己表現
自分の意見を口に出さないと気が済まないか、黙っていてもよいか
■自己主張
自分の意見を相手に受け入れてほしいかどうか
■柔軟性
自分の意見を変えて相手の意見を受け入れられるかどうか

簡単に言うとこういうことなのですが、これもどれが良い悪いではなく、マネジメントをする人は自分の特性を知った上で、相手の特性も理解して相手に合わせた強弱を調整することが必要です。

こちらについても予想通りの結果でした。

○○さん、私が予想した通りの結果でした。とお伝えしたところ、「私、仕事に裏表ないので」ということでした(笑)

厳しい人ですが、見たままの方だということがわかりました。そういう意味では素直でわかりやすい方だと思いました。

マネジメントを学ぶことで変化すること

後日、この上司の方の上席である取締役にお話をしました。

今回の定着の課題は、この上司の方の課題が大きいこと
そのように判断した理由
回数が限られているため、マネジメントの原理原則をお伝えすることが精一杯で課題の解決まではいかないと思われる

ということを率直にお伝えしたところ、この上司の方がこれまでにマネジメントを学ぶ機会がなく、経験値だけで管理職を任せていた。
一般的な話で構わないので伝えてほしい。その上で本人へのフィードバックは自分たちの責任で行う。ということをおっしゃっていただきました。

厳しい方ですが能力の高い方です。今後のマネジメント能力の向上のために私もできる限り貢献しないと・・・とあらためて感じた出来事でした。



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