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人の問題どこから始めれば??

私は人の問題を扱っているので、こうなってしまうのですが、最近こういう話が多いです。


コンサルの現場で

人手不足がベースとしてはありますが、それを前提としていろいろな問題があり、正直どこから手をつけていくか?というケースが多いように思います。

回数が限られているので、どこにポイントを絞るかはいつも気にしていて、クライアントさんにもどこを一番重点的に考えたいか聞いています。

今回はいろいろ問題はあるけど、階層別の教育の再構築をしたいという話でした。事業の変化で今までの常識が古くなっていると考えられているようです。

最初に考えることは?

ここでいきなり教育体系の話には入りません。
まず確認しておかないといけないことがあります。


これは何度か書いているのですが、その会社の事業戦略と人材の能力が合っているかどうかということです。

もうちょっと言うと、事業の変化(世の中のニーズ)と言っているので、まずは会社は〇年後、どんな事業戦略で事業を進めていてどういう状態になっていたいのか?というところを確認します。

よく見受けるのは「人を育てなければ!」という意気込みだけで、育てる方向が定まっていないというケースです。ゴールがなければ何を強化しなければいけないのかわかりません。

今回のクライアントさんは、経営層で明確に事業戦略などを話し合っていないとのことでしたが、人事の責任者の方から見て〇年後どうなっているか?聞いてみました。

そうすると慢性的に人員不足になっている事業は、そうは言っても利益を一番取れるところなので、今後数年でなくなることは考えにくい。
少なくとも目先の対処に追われることなく、スムーズに現状を維持できるだけの力は備えておきたいとのことでした。

一方で、この主力事業の顧客層とは違うけれど、自社の特徴や強みを活かすとまだまだ伸びしろのある事業があり、この割合を増やして上記の事業とのバランスが取れている状態にしたいとのことでした。

課題を抱えている時は採用でやらかしている

いろいろな課題をお話していてわかったことなのですが、現在の主力事業はとにかく人数が必要な業務なんだそうです。
スキルとしては何か必要なわけではなく、簡単な作業レベルのようです。

ところが人手不足から、だいぶレベルを下げた採用を行っていたそうで、担当の方は「誰でもいい採用のひずみが出てきているってことですよね」と話されてました。

誰でもいい採用をやっていたのか・・・

これはどんな会社でも一番やってはいけないことです。

採用については、「自社の理念や価値観に共感している人を」というのがセオリーです。
本当は私自身も、そんなことで採用できるの?と思っていた時期はあります。ただ、それでもこの部分をないがしろにすると、頭数はそろったとしても違う問題で現場の責任者は頭を抱えることになり、結局、時間が足りずにマネジメントが機能しないということが起こります。

簡単に言うと、採用された人材の周りの人材が、くだらないことで疲弊するということです。そうすると周りの人材が辞めるという負の連鎖が始まります。

自社で大事にしていることは何か?

ネットで見かけましたが、最近の若い人はタイパを重要視していて、ビジネス上でも「あいさつ」を無駄と捉える人もいるのだとか。

理解しようとは努めますが(笑)こうなってしまうと、なぜあいさつが必要なのかというところから始めないといけません。
こんなところにマネージャーの時間が割かれるのであれば、それはマネジメントできなくなりますね。

このクライアントさんは、「顧客に寄り添う」ことを強みとしているので、少なくとも人にあいさつをすることができない人は、どんなにスキルを持っていても合わないのです。

実際のところ、あいさつもできなくて苦労する人材はいたそうです。

自社が求める人材を定義するのは難しいですが、せめて「絶対採らない」という人材像は内部で共有しておいた方がいいですね。

採用と育成の両軸をどのように進めるか

こちらのクライアントさんは、人手不足から多様な働き方の人材を視野に入れています。それ自体は良いことですが、よく聞いてみると現場を管理する役割の正社員の方が絶対的に足りていないのだとか。

そのような状態でいろいろな働き方の人を送り込まれても、現場は崩壊します。

まずは最低限の人材要素を決めて採用をしながら、現場の管理職の役割を再定義して、その能力を育成するためにどんな教育体制を整えるのか検討していくことになりそうです。現場を管理できる人材を増やさないことには、主力事業をスムーズに回していくことは難しいということは理解していただきました。

まあ、言うだけなら簡単なんですが・・・。


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