【読書録】そして誰もいなくなった アガサ・クリスティ
あらすじ
その孤島に招き寄せられたのは、たがいに面識もない、職業や年齢もさまざまな十人の男女だった。だが、招待主の姿は島にはなく、やがて夕食の席上、彼らの過去の犯罪を暴き立てる謎の声が……そして無気味な童謡の歌詞通りに、彼らが一人ずつ殺されてゆく! 強烈なサスペンスに彩られた最高傑作! 新訳決定版!
感想
言わずとしれた名作中の名作をようやく拝読しました!まさにクローズドサークルものの原点にして頂点、登場人物のキャラ、話の展開のテンポの良さに圧倒されました!
本作に限らず、ミステリの名作と言われるものは数十年以上前に刊行されているのにも関わらず、現代の作品と比べて遜色ない面白さ、新鮮さを感じさせてくれます。それと同時に当時の時代背景が垣間見えるのも魅力の一つだと思います。とくに女性の地位や役割が今よりも低かった時代の作品なので、いくつかのセリフは今の時代では炎上しかねないものがあると感じました。反対にこれから時代を重ねるごとに、文化や価値観の歴史書としての価値が上がっていくのではないかと思います。
正直読む前は、トリックや構成は現代のミステリと比べて粗削りなところがあるのではないか?と斜に構えていた部分がありました。しかし、いざ読み終えるとこれを超える作品を書くというのは相当難しいと感じさせられる完成度でした!解説の赤川次郎さんが永遠の目標と位置付けているのにも納得です。
ここ1年くらいで海外ミステリを読み始めました。最近の話題作から本作の古典を何作か読みましたが、どれも甲乙つけがたい素晴らしい作品ばかりでした!これからも海外ミステリにどんどん挑戦していこうと思います!!