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【読書録】巴里マカロンの謎 米澤穂信

 本作は「小市民シリーズ」初の短編集です。全部の話ではありませんが、多少繋がりがあるので連作短編集に近いかもしれません。表題の「巴里マカロンの謎」で新たなキャラクターが登場します。このキャラクターがその後の話の中心になっていきます。

 新キャラクターである古城秋桜は中学生の女の子です。全国的に有名なパティシエの父に持ち、自身もお菓子作りが得意であり、その味は小山内さんが認めるほどです。

 秋桜の立ち位置は小山内さんが可愛がっている?後輩になるかと思います。小市民シリーズを読まれている方なら小山内さんが後輩を可愛がる??と思うかもしれません。しかし秋桜が小山内さんを慕っている描写があります。一方で小山内さんは秋桜を可愛がっているとは言い切れない感じで接しています。この何とも言えないキャラ同士の距離感が小市民シリーズの魅力ですよね!

 本作も例よって、小鳩君は小山内さんの掌の上という感じでした。ただ小鳩君は小山内さんの思惑を理解し、あえて乗っているスタンスを崩さないところは本作も変わっていません。小市民シリーズは終始小鳩君の視点で進むため、小山内さんは常にどこかミステリアスな部分が残っています。いつか小山内さん視点の話も読んでみたいです!彼女はどんな感じで人と向き合っているのでしょうか。とても気になります!

 今月発売された文芸誌に小市民シリーズの最新作が収録されているようです!これでまた1冊分くらいの分量のお話が出たかと思うので、文庫で発売されるのを期待しながら今回は終わりたいと思います。

 最後までお読みいただきありがとうございました。






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