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【読書録】浮雲心霊奇譚 火車の残花 神永学

あらすじ

地獄へ堕ちぬ罪人は、私がこの手で灼き尽くす――。

霊を見ることができる赤眼を持つ「憑きもの落とし」の浮雲は、旅の途上の川崎で奇妙な噂を耳にする。罪人の亡骸を奪い去る妖怪・火車が、多摩川で次々と人を殺しているという。殺された者は水死体にもかかわらず、なぜか黒焦げになっていた。

一方、宿では亭主の息子が何者かに取り憑かれ、刃物を持って夜な夜な歩き回っていた。

ふたつの事件に繋がりがあると睨んだ浮雲は、連れの土方歳三と才谷梅太郎とともに調べを進める。
やがて点と点が繋がったとき、衝撃の真相が明らかになる。
そして惨劇の裏に秘められた切ない想いとは――

先の読めない展開と、その果てにある慟哭。
700万部突破『心霊探偵八雲』の著者が贈る、文学史上最も切ない幕末ホラーミステリ。

感想

 というわけで浮雲心霊奇譚も第2部に突入しました!1部は短編集が多かったのに対し、今回は長編です。1部から大きく変わったところは視点が絵師を志す少年八十八からやたら剣の腕が立つ薬売り土方歳三に変わったことです。特に本作では土方の内面を掘り起こす作品となっています。
 また本作では才谷梅太郎という人の懐に入るのがうまく、さらに剣の腕も立つキャラクターが登場します。歴史が好きな方ならすぐにお分かりかと思いますが、才谷梅太郎は坂本龍馬が使用していたとされる最も有名な偽名の一つです。そして土方歳三は言わずと知れた新選組の副長です。つまり本作は坂本龍馬と土方歳三が一緒に心霊事件を解決するという構図になっています!!(もちろん心霊事件をメインで解決するのは幽霊の見える浮雲です。)第2は江戸幕末の動乱を前面に描いきたいという神永先生の熱量がひしひしと伝わってくる作品でした。
 さらに八雲シリーズでおなじみのあの検視官の先祖あろうキャラクターも登場し、こんなに盛沢山でいいんですか!?という内容でした!次巻の「月光の黒龍」もすでに購入済なので、近いうちに読もうと思います!!
 今回はこの辺で終わろうと思います。最後までお読みいただきありがとうございました。

 

 神永先生の著作「イノセントブルー」の主人公は自分の前世は才谷梅太郎といっていました。もしかして神永先生はかなりの坂本龍馬ファンなんでしょうか?


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