【読書録】チョコレートコスモス 恩田陸
あらすじ(文庫版裏表紙より)
芝居の面白さには果てがない。一生かけても味わい尽くせない。
華やかなオーラを身にまとい、天才の名をほしいままにする響子。
大学で芝居を始めたばかりの華奢で地味な少女、飛鳥。二人の女優が挑んだのは、伝説の映画プロデューサー・芹澤が開く異色のオーディションだった。これは戦いなのだ。
知りたい、あの舞台の暗がりの向こうに何があるのかを。
少女たちの才能が、熱となってぶつかりあう!興奮と感動の演劇ロマン。
感想
これまで恩田陸さんの作品は「蜜蜂と遠雷」「夜のピクニック」を読みました。この作品は蜜蜂と遠雷の演劇verといった印象を受けました。オーディションという一つのゴール決まった舞台で、登場人物がそれぞれ色々な思いを抱えながら挑んでいく様が描かれています。
本作の魅力を一言で表すなら「没入感」だと思います。特に終盤の響子と飛鳥が芝居の境地ともいえる感覚になっているときは圧巻でした。小説の登場人物が演じている役に入り込んでいることに入り込むという新しい体験をしました。(伝わりますかね?)
そして何よりこの1冊を書くために著者がどれほどの取材を重ねたのか。。。ちょっと想像もつきません。優れた作品を生み出すには相応のインプットが必要だということを見せつけられました。蜜蜂と遠雷を読んだ時にも同じ印象を受けたので、恩田陸さんのインプット術を少しだけでもいいので教えてほしいと感じました。
文庫版のあとがきには続編の構想があると書かれており、すぐに読まなければ!!と調べてみました。そしたらなんと続編の「ダンデライオン」は連載が中断していました。(泣)
今後続編が出ることはないのでしょうか?
さいごに
最近まで仕事が忙しかったことと、500ページを超えるボリュームだったので読み終えるのにだいぶ時間がかかってしまいました。。。
文句なしに面白い作品だったので、帰宅して読むことをモチベーションに忙しさを乗り切ることができました!
改めて読書の良さを感じさせてもらえたような気がします。
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