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【読書録】追想五断章 米澤穂信

あらすじ

 五つの物語にひそむ秘密。精緻な本格ミステリ
古書店に居候する芳光は、依頼を受けて五つのリドルストーリーを探し始める。やがてその著者が、未解決事件の被疑者だったことを知り──。精緻でほろ苦い、大人の本格ミステリ。

感想

 かなり長い間積み本となっていましたが、ようやく読むことができました。読み終えた直後に出た感想は圧巻の一言でした。本作に限らず米澤先生の作品の完成度の高さには毎回感嘆させられていています。ただ本作は自分の中では「王とサーカス」以来の衝撃でした。
 米澤先生の作品は古典部シリーズや小市民シリーズといった高校生が主人公の話が多く、あの年代でできる限りの調査をひとつずつ丁寧描かれているのが魅力だと思います。ただ今回の主人公は休学中の大学生ということで、高校生よりはやれること、行動範囲が広いです。この点がほかのシリーズものとの一線を画している気がしました。とは言いつつも一つの事実が明らかになるとまた別の謎が生まれるという、あのワクワク感は遜色ありませんでした。
 そして終盤の解決編からのどんでん返しもあり、ページ数は少なめあるのにもかかわらず、満足感がすごかったです。結構読んでいる方ではありますが、まだまだ米澤先生の作品で未読のものも多いので、どんどん読んでいきたいです!!
 今回はこの辺で終わりたいと思います。最後までお読みいただきありがとうございました。


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