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AAAL2020の中止&AAALの発表採択率

AAAL2020の中止

本来,昨日まで行われていたはずのアメリカ応用言語学学会(American Association for Applied Linguistics; AAAL)で,"Text readability and comprehension processes during L2 reading: A computational and eye-tracking investigation" と題した研究発表をする予定でした。しかしながら,COVID-19の影響で学会自体が中止となってしまい,発表はできませんでした。学会のプログラム自体はこの記事の執筆時点では生きているようなので,英語の発表要旨をこちらからご覧いただけます。

せっかくスライドまで作っていたので,この研究をまたどこかの学会で発表したいと思っているのですが,国内外の状況を見ているといつになることやら…。

AAALでの採択率

せっかくなのでというのも変ですが,AAALでの発表採択率についてこの記事で少し書いておきたいと思います。というのも,AAALは応用言語学の世界最大ともいえる学会で,とにかく規模が大きく,そもそも発表が採択されること自体が1つの壁となります。私自身を含め,発表の不採択を経験したという人の話を聞くことも結構多いです。採択率を知ったからといって特にどうってこともないのですが,初めて参加を考えている院生さんなどにとっては多少なり有益な情報になるかなと思い,自分の経験をもとに書いてみたいと思います。

私は院生の時に初めて参加した2014年のポートランド大会から,2020年も含めると合計でこの学会には5回参加,投稿自体は6回行ったことになります。いつも投稿の結果はメールで来ていて,そこにどれくらいの発表申し込みがあったかということが書いてあるのですが,いつも「採択は非常にcompetitiveだった」と書いてあります(だいたいどの学会もそう書いているものだと思いますが)。2017年に関しては唯一採択率も記載されていて,それによると採択率は約40%ということでした。半分以上が不採択になるというのはなかなか厳しい基準ですね…。しかも以下に記す通り,2017年はむしろ投稿数は少なかった方なので,例年はもう少し採択率は低いのかもしれません。(ただし,会場の部屋数をどれだけ用意できるかにもよりますが)

2014@Portland:約1,700件の投稿数

2015@Toronto: 約1,800件の投稿数

2017@Portland:  約1,660件以上の投稿数, 40%の採択率 

2018@Chicago: 約2,000件以上の投稿数, a record

2019@Atlanta: 約1,800件の投稿数

2020@Denver: 約2,000件以上の投稿数 

これを見ると,2018や2020で発表が採択された方はラッキーだったと言えるのではないでしょうか。また,口頭発表で申し込んでいたけどポスターで採択になったとか,その後にキャンセルが出て口頭発表になったとか,そういう話も結構聞きます。

AAALは応用言語学という名前ですが,SLAが主流の学会です。SLAのど真ん中を行くような人はぜひ参加をお勧めしたい学会ですし,SLA系のジャーナルなどに投稿を考えている人はいろいろと勉強になることも多いと思います。ただ,私自身はあまり自分の研究内容と学会が合っていないかもなぁとここ数年は感じていました。私は口頭発表もポスターも経験しましたが,自分の研究内容が真ん中からズレていると思う人は,ポスター発表のほうがいろいろと有益なやり取りができるかもしれません。

すでに来年のCFPも出ています。私自身はまだ投稿するか決めていませんし,正直来年であっても無事に開催できるのかという不安は現時点では払拭できませんが,これまでの私が参加してきた記録が今後の参加を検討しているどなたかの参考になれば幸いです。




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