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嗚呼理不尽


極端な例え話から入りますが、猛(たける)さんっていう、男の人がいたとするじゃないですか。

猛は小さいときに、母がやっていた編み物が『楽しそうだなぁ。』と思ったので、母に編み物を教えて貰います。

一所懸命に編み物に励んでいたら、父が帰って来ました。すると父は
「男が編み物なんて女々しいことするな!もっと外に出て活発に遊ばんかい!!!」
と、物凄い剣幕で猛を叱りました。

それ以来、猛は編み物に関わることが一切無くなります。



こういう場合に、
『父ちゃん、怖い…。』
『編み物、怖い…。』
『男が編み物しちゃダメなんだ…。』
『男は外で遊ばなきゃいけないんだ…。』
などなどなど…極度のトラウマを抱えてしまうと、猛は編み物をしている男性を見ただけで
『怖い!』
と、深層意識の中で思ってしまうんですよね。

そうなると、編み物をする男性に対して
「男が編み物するなんて、女々しい!止めろ!!!みっともない!!!」
と、父以上のキツい口調で非難しがちなんです。



さて。猛の父親としては、本当は
『猛には、勇ましく堂々とした、強い男になって欲しい。』
と、いう思いがありました。だからこその、室内でチマチマ取り組むような編み物ではなく、外に出て走り回ったり、木に上ったり、とにかく体が鍛えられるような遊びをして欲しかった、という希望から、
「男が編み物なんて女々しいことするな!もっと外に出て活発に遊ばんかい!!!」
という言葉になっていた訳ですね。しかし、その本意は猛には伝わらず終いでした。

猛には、
『"猛の父が""猛に対して"活発な遊びをして欲しいと思っている。』
という本意の部分ではなく、
『男が編み物をしてはいけない!』
の部分だけ強くインプットされてしまったのです。すると猛は、自分だけでなく、周りの他の男性に対してまでも
「男が編み物をするな!!!」
などと騒ぎ立てるようになるのです。



↑あくまでフィクションの話ではありますが、世の中には似たようなケース、物凄く沢山転がってるんですよね。



で。この話をもっと噛み砕いていくんですけど、この話を読んで、
『これは、猛にキツい言い方をした猛の父が悪い!』
って、感じる人、世の中に凄く多い気がするんですよ。あ…世代によっては
『男が女々しい遊びをするのはおかしいのだから、猛の父は間違ってない!』
って思う人も結構多いかな?分かんないけど、どっちにしろそこじゃないんですよね。

『猛には、勇ましく堂々とした、強い男になって欲しい。』
と、考えているのは猛の父なんです。猛本人が
『勇ましく堂々とした、強い男になりたい!』
と考えていた訳ではありません。

猛の父が猛に対して
『○○な人間になって欲しい。』
という思いから、
『○○な人間=△△なんてしない人間。』
の、ように決めつけて、父の中で勝手に決めたルールを猛に押し付けてることが最も問題な訳ですよ。

この例え話の場合だと、
『猛には、勇ましく堂々とした、強い男になって欲しい。』
という猛の父の思いから、
『勇ましく堂々とした、強い男=室内で女々しい遊びをするはずがない、外で活発に遊ぶ人間』
と決めつけて、それを猛に強い口調で押し付けてる点です。



百歩譲りましょう。

父親が自分の息子に対して
『○○な人間になって欲しい。』
と考える部分までは、まぁ仕方ないでしょう。

それを口に出したらアウトですよ。

もっと譲って、口に出すまではギリ許したとしても、それを猛本人に聞かせるのはまず良くない。良くないし、もし伝えるのであれば
「父親の自分としては猛に○○な人間になって欲しいと思っているのは本当だけど、最終的に猛自身がなりたい人間になれることが大事なんだよ。」
ってところまで言えなきゃダメですよ。そこまで伝えられないような人間が、他人(自分の子供であっても)に対して
「○○な人間になって欲しい。」
なんて理想を押し付けるとか、図々しいの極みです。



例え話の中ではあえて書いてないんですけど、この場合、編み物に興味を持った猛に対して編み物を教えてあげておきながら、父親の
「男が編み物なんて女々しいことするな!もっと外に出て活発に遊ばんかい!!!」
っていう強い言葉に対して一切のフォローもない母親もクソバb大概ですよね。

母親自身が
『猛に教えてあげよう。』
って決めて教えてあげたのだから、叱られてる猛を前にして
「猛に編み物を教えたのは私の判断なのだから、猛の前に私を叱りなさいよ!」
って、ブチギレられない女なんて、妻としても母としても最悪だよ、と、私は思ってしまうんだよなぁ。

それか、その場じゃなかったとしても、父親が離れた場面とか、ほとぼりが冷めた頃なんかに
「お父さんは、この前あんなキツい言い方したけど、猛に対して『強い男になって欲しいな。』って思いが高まっちゃったから、あんな言い方になってしまったんだよ。」
って、猛にフォロー入れてあげるのが筋じゃないですか。大人としても、猛よりも父と一緒に過ごした時間が長い立場の人間としても、父親の発言へのフォローはしてあげないと…。それをしないのは
・父の伴侶
・猛の母
としての役割をどっちも放棄し過ぎでしょ、と、私は思うんですよね。伴侶になる覚悟も母になる覚悟もないままに流れで結婚して子供を産んだ人間の典型…って感じがして、私はこの母親も嫌いですね。



猛もさぁ。父親に強い言い方されて一番被害者ではあるんですよ。被害者なんだけど、
『おーおー。父親が「男が編み物なんて女々しいことするな!もっと外に出て活発に遊ばんかい!!!」とかゆーてるけど、本当に男が編み物すべきではないんか?編み物って女々しいんか?外に出て活発に遊ぶことがほんまに正解なんか?』
って、反骨精神というか、真実を見極めてみようとする視点で対峙しないっていう点は、猛の怠惰だと私は思います。

父親のことを
『怖い!』
と、感じたのは猛でしかないんですよ。

『父親の意見は絶対。』
『父親が正しいに決まってる。』
みたいに決めつけたのは猛でしかありません

『父親には逆らってはいけないものだから…。』
と言い訳を並べて父親の意見に準じているのは猛自身なんです。

にも関わらず、猛の父の言葉を"他人に対しても"
「父の意見は絶対なんだ!お前も破るな!!!」
ってわめき散らすのは、罪ですよ。

父親に強い口調で叱られた、という時点では被害者でしかなかったのかもしれませんが、その被害を元に

「もう2度とあの時の怖い感情を思い出したくないのだから、思い出させるような行動をお前もするな!編み物なんてするんじゃねぇ!」

と、相手の行動を制限しようとするような意見を大声で怒鳴り散らしてる時点で、立派な加害者なんですよね。何なら、猛の父より罪深いんです。



言葉自体はさておいて、猛の父は
『猛により良い(猛の父基準の)人生を歩んで欲しい。』
という猛への思いやりからの言動だったのに対し、猛は
『俺のトラウマを引き出すような行動をするな!』
と、あくまで自己中心的な思いからの怒号で、相手への思いやりは皆無なので、
「男が編み物するなんて、女々しい!止めろ!!!みっともない!!!」
と、猛が父以上のキツい口調で他人を非難してしまったら、その時点で父以上の罪を犯している…と、いうことは自覚した方が良いですね。
(自覚できんと思うけど笑笑笑)



ほんでさぁ。

こういう話を説明しようとすると、猛の父ポジションの人には
「親になったこともないような人間に何が分かるんじゃ!」
と、キレられ…

猛の母ポジションの人には
「だって…私たちの世代は男の人を立てるのが当たり前だったから…。」
と言い訳を並べられ…

猛ポジションの人には
「俺の時代の"父親"という生き物は本当に怖かったんだ!それを分からないぬるい時代の人間に何が分かる!」
とすねられ…

話が通じなくて困る私はそう、猛の子供世代って感じかなぁ?言うなれば。それか、猛の1世代後のポジション位になるのかなぁ?分かんないけど、とりあえず、感覚が違いすぎて
『めんどくせーな。』
って思ってる世代な訳ですが、

『いや、お前ら全員でよってたかって私らに八つ当たりしてんじゃねーよ!』

と…思うこともしばしばありますよね。

あ、私の宿命として【カルマの精算】っていうものを抱えてるから、私個人がよりそういうポジションに回ってしまいやすいってだけでもあるんですけど、多分私の同世代には、こういう感じで色んな立場の人間の歪みを請け負う役回りの人ちょいちょいいると思います。インディゴチルドレンとか、ライトウォーリアーとか、その辺の仲間は多分、私と似たような感じで、色んな人間から攻撃されること多いんじゃないでしょうか。攻撃される経験は多い割にガチで病むこともなくてひたすら辛いとか…ね。

まぁ何しか
「俺には攻撃する理由がある!」
「私には攻撃を阻止する責任は無い!」
「俺は攻撃されてた人間なのだから、労られるべき!」
っていう全部の攻撃を請け負う役目の人間がいるんだよ、世の中には。気付いて貰えることなんてほぼほぼ無いんですけどね。



何となくなんですけど、
『私と似たような役回りになってる人って、絶対私だけじゃないよね!』
って気がしてて、とりあえずその同志たちに
「しんどいけど、お互い負けんよーに頑張ろ!」
って言いたいだけではあるんです。

もうちょっと理想を言えば、
『あぁそうか。自分の感覚、スタンス、間違ってた部分あるかもな?』
って気付ける人が1人でも増えて欲しいところもあります。

ただ、先に書いた通り、私から直に発した言葉じゃ伝わらない場面を多く経験してきてたから、こうして書いておくことでバタフライエフェクトが起こって、私が言いたいことが通じる人が間接的に増えたら良いな、って気持ちが強いですね。



ほんで話を遡りますが、そもそも、編み物は昔の船乗りの男性がやるものだったんですよ。

(編み物の歴史は古くて諸説あるみたいなので、男性だけのものって話ではありません。)

昔の、航海術が安定していなかったような時代に、長い時間船上で過ごす人の暇潰しのひとつとして行われてたものでもあるんです。ケーブルニットの模様なんかも、豊漁を願って模された網の模様なので、海とニットの関係性は深いです。遠い距離を航海するような度胸、勇気も備わっていたり、船を動かしたり魚を釣ったりと屈強な生き方をしていた人々と繋がりの深い【編み物】を
「女々しい。」
と評するのはあまりにも無知蒙昧なんですよ。

そんな教養が足りない父のレベルに合わせ続けた挙げ句、他人にまで
「編み物は女々しい!」
と押し付けるのは荒唐無稽でしかありません。

こういうくだらない連鎖、世の中からなくなった方が楽しいと思いませんか?



こういう話をすると
「何でもかんでも勉強すれば良いってもんでもないぞ!」
みたいな反論が沸くタイプも結構いますが、私は
「勉強しなさい。」
って言ってる訳ではなくて、
「無知の癖に大声で喚くのは止めなさい。」
って言いたいだけなんですよね。それがなーぜーか、上手く伝わらないんですけど。



ちょっと一旦趣旨はズレるんですけど、この部分でいつも思うのは
「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」
って感覚は変だな、ってところですね。

目の前の人間がモジモジ、聞くこと(質問すること)を恥ずかしそうにしている様子を見て
「聞く(質問する)のは恥ずかしいかもしれないけど、知らないまま過ごすのは一生恥をかき続けるかもしれませんよ?」
って伝えてあげるのはその通りだけど、
「「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」って諺もある通り………。」
って、あたかも
人間全員が『質問することは恥ずかしいことだ。』って思い込んでるものだ。』
っていう体で話すのは良くないですよね。

『質問することは恥ずかしいことだ。』
って思ってるタイプは勉強できない、仕事できない側だけだと私は思うし、それなのに
『"人間全員が"『質問することは恥ずかしいことだ。』って思い込んでるものだ。』
っていう体で話してると
『…え?『質問することは恥ずかしいことだ。』って思ってない自分はおかしいのかな?『質問することは恥ずかしいことだ。』って思い込まなきゃいけないのかな?』
って、変な方向にミスリードしちゃうから、本当に良くないです。



理不尽に怒られても
「編み物って、本当に女々しいんですか?」
とか、
「どうして編み物が女々しいんですか?」
とか、疑問点は素直に都度確認する方が後々
『うわぁ…あの人、間違った編み物への偏見を大声で喚いてる…。』
って白い目で見られることもなくなるのに、なーんか、この
「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」
って諺のせいで逆に聞けなくなってる人結構いそうなんですよね。

でもまぁ、分かるんですよ。
「女々しいことするな!」
って怒ってる相手に対して
「どうして編み物が女々しいんですか?」
なんて返したら火に油を注ぐだけって想像に易いのは分かるんです。

知識が無いから大声で批判してるのに、詳細について質問されたって困りますからね。ブチギレ必須だってことも分かります分かります。

分かる故に
『何で大して詳しくもない事柄に対してそんな大声で喚けるの?』
って不思議でもありますけどね。

とりあえず、怒鳴り散らかしてる相手に対して
「あなたのその意見、本当に正しいんですか?」
って聞くのが億劫な気持ちは分かるは分かるんですよ。

分かるけど、冷静に
「編み物は女々しい…って、単なるあなたの偏見ではありませんか?」
って聞くべきタイミングってあると思うんですよ。大人同士の付き合いの中ではね。言い方によってはただの煽りっぽくなっちゃうのかもしれませんが、道理に納得いかない場面なんかで
「その意見の根拠が見えてこないのですが?」
って質問しないといけないこともあるんじゃないでしょうか。

(↑文字だけで表現すると、どうしてもただの煽りにしか見えないかもしれませんね笑煽りじゃなくて、ピュアに聞けば良いだけなんですけどね笑まぁピュアだろうとなんだろうと、大声で喚き散らす人間はどっちにしろ勢いでしか返せない可能性の方が高いから何でも良いか笑)



話がグルッと遠回りしましたが、とにかく
「○○は△△に決まってる!」
って、決めつけて大声で喚いてるような人間に有識者はいないと見てほぼ間違いはないので、怒鳴られて伝えられた意見に関してはシカトで良いですよ◎だから、負の連鎖は止めていきましょうね。
っていう話なんです。

でも………今日の話はまとめ方が下手でしたね苦笑何か、この辺の話で私はモヤモヤを抱えてるものが沢山あるんですけど、どうも噛み砕ききれないので、後はバタフライエフェクトに委ねます。



ほんでさぁ。

「だからねぇ、過去に大声で怒鳴られて怖かったかもしれないですけど、その恐怖はもう手放して良いんですよ。」
っていう部分を伝えたいだけであっても
「自分が過去に請け負った損(怒られて傷付いた経験)を無かったことにしろって言うんか?!」
って、まーた変なところで話が止まるからさぁ。

私は猛側の人間と話したくないんよ。

私が自分で言うとおかしなことになるけど、私は私なりの優しさというか、傷の癒し方を伝えてるだけのつもりなのに、責められてるって勘違いされやすかったりして、
『あぁ。私は喋らん方が良い側の人間なんやな。』
って気分になるんですよね笑

多分、猛側の人間に私の意図が届く前に、ワンクッション、私の翻訳をしてくれる人が必要なんだと思うんですけど、なかなかそういう相性が良い人とも巡り会わんよなぁ…と、思ったりもしてさぁ。

本当に、
『無知蒙昧を振り撒いて好き勝手自由に暴れてる人間の方が得なんじゃないかな?』
って気分になったりもしますよね。勉強したり、精神性を磨こうって頑張る方が損なんじゃないかって、理不尽に感じることが、世の中には結構あるなぁと私は思ってます。



どんな色の絵の具に白を混ぜ続けても真っ白にはならないけど、どんな色の絵の具にも黒を混ぜ続ければどんな色も黒になる。

って、有名な言葉もあるけど、まじで人間、自分が自分の色でいられるように自分を律することと、他人に黒色を混ぜないように律することは生涯気つけなあかんことやと私は思うんですよね。

私だけじゃなくて、理不尽に苦しんだ経験が多かった人みんなが救われる日がくると良いなって思ってます。


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