虫の知らせと備える体質 からだ♡ダカラ⑫
端的に言うと、用心深いのである。わたくしは自他ともに認める、正真正銘の「備える体質」だ。
それも、備えるという自覚無しに「どうしてもこうしなければ!」と思いつき、そのように実行することで、何度も自分と家族を守ってきた実績つきの備える体質。
子どもを産んですぐに住んだ中古住宅で、自分でもよくわからないのだけれど、寝室の壁に板と壁紙を貼るリフォームをすると言い張って、実行した。そして寝室には一切家具を置かないと宣言。頑なに、寝る部屋に大きな物を置かないと強く心に決めていた。
その2年半後 、冬の早朝にイキナリ起こった阪神淡路大震災で、その家は全壊評価をされるダメージを負ったのにも関わらず、寝室だけは全くの無傷で親子三人無事だった。子どもは、突然の突き上げる衝撃もそのあと続いた大きな揺れでも起きなくて、ぐっすりと寝ていた。わたくしが暗闇の中、子の名を絶叫して手探りし、夫はわたくしたちに覆いかぶさって庇ってくれたのにもかかわらず。(我が子の大物エピソードの一つである。)とにかく震度8の揺れの中でも家族の心身が傷つかなかったのは、暗闇の中で突然何かが落ちてくる、下敷きになるという事象とその恐怖体験がなかったからだ、と考える。
大きな揺れの朝、外が明るくなってから漸く部屋を出て、廊下をはさんだ向かいの部屋に行ってみた。其処にはベビー箪笥の上に置いてあったワープロが反対側の壁に激突して落ち、タンスは倒れて物がぐちゃぐちゃに散乱する光景があった。それを見て「何も置いていない、壁が割れない、窓に障子が付いている和室の寝室でなかったら、自分たちは死んでたかも。少なくとも心身は痛めてた。」とぞっとしながらも、妙に冷静に考えた。
そうして被災者となった我が家族だけれど、その後の2年間も驚くほど幸運と素敵な出会いに恵まれ、たくさんの扶けを頂いてどうにか元の生活に戻れた。そのことにまずは感謝であるが、とにかく、災害で家族が心身の傷を負わなかったことが、スムーズな立ち直りの一番の土台であったと思うのだ。
どうして、あれほど寝室に物を置きたがらなかったのか?自問自答をするうちに、たぶんわたくしの虚弱ゆえの用心深さによるところが大きいと結論に至った。自分の最悪なピンチを想定する癖が、自然と自分と周りを救っているのかもしれない、と。
わたくしには、長年つき合っている自己免疫のトラブルもあり、ついでに心身ともに過敏で、鍼灸の治療などでは経絡のルートにナニカのエネルギーがどこまで流れているのも分かる程である。時には、目の前にいるちかしい人がこのあと何をするか、話すかをなんとなく予測できる。虫が報せるという言葉の、たぶんその最上級の「虫が報せまくる」タイプ(能力者なんて大それたものではなく、一般人のレベルでのこと)だと思う。
さて、改めて思ったのは、その「虫」はどんなものだろうか?検索すれば、難なく出てきた!↓
そうか、ピンチやリスクをわたくしに知らせる虫は、こういうモノ↑だったのか。そういえば、小さい頃、樋屋奇応丸という銀の粒を飲ませられたこともあった。あれは疳の虫に効くとか?その虫も気になる。とにかくよきにしろ悪しきにしろ、わたくしの中に何かわたくしを守る?虫がいるらしい。(危ない寄生虫ではないのは、ありがたい)
ただ、実は、平常時にはすごいことでも嬉しいこともなく、虫の働きに無自覚だった頃は、何の気なしに口にする言葉や行動で気味悪がられたり、疎まれたりした。実母には「本当になるからヘンなことは言わないでほしい」とまで言われたことがある。まるでわたくしが、災厄そのものを呼び寄せているかのように。
それに、ほんのちょっとだけの先を読んだとしても、助かるどころか、人よりも早く残念な結果を長めに哀しむ(俗にいう取り越し苦労)など、お得なことは、自分にはほとんどない。むしろ、損な性分、というモノだ。ただひとよりもほんの少し先(の展開)の予想がつくというだけなのに。
ただ、非常時には、メリットと言うか、結構な防衛スキルとして威力を発揮する(発揮しない毎日が一番望ましいけれど)気がする。だからこそ災難への備えは得意で、この度のコロナ禍においても、かなり早い段階でなんとなく良くない予感とともに情報収集に努めた結果、コロナシフトの対策BOXを家族のために用意し、友人らにもシェアすることができた。
もちろん、マスクや消毒薬、ティッシュのために長蛇の列に並ぶということは一切しなくて済んだし、おこもりも全く不自由なく送ることができた。自宅療養のための漢方などもすべて揃えて、その分心に余裕ができて、のんきな自粛生活を送ることが可能になった。備える体質のメリットを享受できるのは、ありがたいけれどあまり喜ばしい状況ではないと自覚しつつ、少しそのいくつかをシェアさせていただきたい。
<お勧め備蓄情報 その1>
備蓄のキホンの目安がわかる、とてもいい感じのナビサイトだと思う。
<お勧め備蓄情報 その2>
更に具体的な備蓄スキルをアップするためのまとめ情報が↓。
<お勧め備蓄情報 その3>
育児中のご家庭に特におススメの情報満載。家から逃げるときのマニュアルなども具体的。(もちろん、子どもがいないおうちの方にも役立つ情報もたくさんあり)
<お勧め備蓄情報 その4>
アウトドアスキルの視点から、防災・減災を呼びかけるあんどうりすさんの情報を聞けるラジオ番組。ネットではどこでも聴取できるのもいい。
<お勧め備蓄情報 その5>
わたくしは現在、持病のある老親のサポート同居中である。高齢者と暮らしてみて、初めて高齢者の生活ニーズがわたくしとは異なる点があると思い知ることが多い。防災にも高齢者を守る視点での備えを始めなければと実感する。阪神淡路大震災の知見からの準備の視点が整理されていて、とても参考になる。↓
https://www.u-hyogo.ac.jp/careken/wp-content/uploads/2019/06/496baf599110835e21336e537d672dcf.pdf
以前、流行り病で自宅に皆が引きこもるなどという事態をいったい誰が予想できたであろうか?それでも、なぜだか自宅に必要なものは揃えていたし、必要な知恵や情報を授けてくれるネットワークもわたくしには有った。だからこそ心持ちはゆっくりおうち時間になったのである。今考えてみると、その落ち着いた期間を過ごせたおかげで、昨夏からの怒涛の老親サポートもどうにか搔いくぐってこれたようにも思う。
そして、もって生まれた本能的な予感を、自らが否定しないことはだれにとってもかなり大事なのではないか?とつくづく思うのである。なんだかわからないけど、ザワザワする、ウキウキする、行ってみようと思う、心惹かれる、今は時期じゃない、などなど。虫が報せるいろんなサインを無視しないこと。ダジャレおばさんになってしまうのを怖れず、敢えて強くそう言いたいのである。
最後までお読みくださり、ありがとうございます。和風慶雲。
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