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まめに暮らそう 小豆と大豆 ヌチグスイ*⑯

「まめ」という言葉は、たくさんの意味を持つ。漢字で豆と書くと、大豆をはじめとした、いろんな種類のマメ科の種子を表す。それらの豆は日本人にとって欠かせない植物であり、だからこそ言葉の意味するところも興味深い。

まずは、日本食に特に大切な、小さい豆と大きい豆について、「豆」知識をまとめてみよう。(この場合の豆は「メインじゃないけれど、ちょっとした、役に立つ」の意味だそう。)

わたくしが一等好きな、小豆。子どもの頃はそうではなかったのに、年を重ねるほど小豆が好きになっていくのはなぜだろう?いまや小豆餡の入ったヨモギ餅は最高においしいと思っている。その値打ちがわかる、わたくしもよいお年頃になったみたいだ。

さらに、昨今の糖質カットブームに乗っかり、砂糖を使わずに甘い小豆餡が作れることも、最近知ることとなった。

https://www.youtube.coatch?v=s0QeKMuoHjk

実際にこのあんこを作ってみると、優しい甘さとふわっとした発酵の香りがなんとも好ましい。最近は、砂糖の匂いが鼻につくこともあるので、余計にいい感じがする。発酵食だから、腸内フローラにも良さそうだ。豆のなかでも低脂肪である小豆は、栄養いっぱいのヌチグスイの最強メンバーだ。

ところで、以前、香川県の小豆島をアズキシマと読まないのか?と不思議に思ったことが、あった。調べてみると、島の神社はアズキ神社と呼ばれているので、かつてはアズキシマだったのかもしれない。日本神話でも、国生み伝説の淡路島の周辺、岡山が黍のきび(吉備)、徳島が粟のあわ(阿波)、小豆島はあずきというラインナップ。食材の豊富な瀬戸内海沿岸を象徴する地名であるともいえる。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E9%87%8E%E6%89%8B%E6%AF%94%E5%A3%B2

この小豆島のアズキ神社の神様は、銅鐸を鳴らして、魔を祓い豊穣をもたらす技を持つ巫女だった可能性も指摘されている。それならば、アズキの神様は本当に縁起の良い女神である。確かに、若さや美しさに役立つ抗酸化機能の高いポリフェノールがたっぷりな小豆の神様にピッタリなお話。老いや醜さを追い払ってくれるのだから。

https://www.azukilife.com/colamn/eiyo.html

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そして人生で最も口にしている豆は、ぜったい大豆だろう。味噌、醤油の調味料としても、豆腐やお揚げ、豆乳、納豆、おからとしても、毎日食卓に登場する。和食は大豆なしでは成り立たない。もちろん、たんぱく源としても良質であり、昆布といっしょの煮豆などの常備菜もおいしく、わたくしの年代には、大豆のイソフラボンも特別にありがたい。

また、災害時も必ず大豆は日本人に欠かせない食材だろうと考えるわたくしは、備蓄セットの中に煎り大豆を加えている。未開封だと半年から一年ほど賞味期限があるので、イザと言うときのために一袋保管している。

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嬉しくも、災いがやってこないで期限が迫ってきたら、ポリポリつまむのもよし、このレシピ↓で美味しく備蓄を回転させていくのもアリである。

https://macaro-ni.jp/75360

ついでに、まめを別の漢字で調べると、goo辞書では、↓

まめ【忠=実/▽実】 の解説
[名・形動]

1 労苦をいとわず物事にはげむこと。また、そのさま。勤勉。「―に帳簿をつける」「若いのに―な人だ」「筆―」

2 からだのじょうぶなこと。また、そのさま。健康。たっしゃ。「―で暮らしております」「―なのが何より」

3 まじめであること。また、そのさま。実直。本気。誠実。

「いと―に、じちよう(=実用本位)にて、あだなる心なかりけり」〈伊勢・一〇三〉

4 実際の役に立つこと。実用的であること。また、そのさま。

「をかしきものは…君達に、―なるものは北の方にと」〈落窪・四〉

↑以上転載終了

と、とても好ましい、実(じつ)のある意味がたくさん並ぶ。

栄養豊かで心身を健やかに養う、ヌチグスイの豆をしっかり食べて、まめまめしく活動できるよう、まめな人になろう。そして、疫病や戦争によって人々が不安に苛まれているこんな時こそ、まめに暮らせるようお互いに労りあいたい

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最後までお読みくださり、ありがとうございます。和風慶雲。

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