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マイクロノベル集 303「だって悪魔なんだもん」
No.1661
悪魔の取り分、なんて言葉があってね。木の樽に染み込んで減ってしまった蒸留酒、その飲めない酒を言うんだけど。「これは店長の取り分です」天使似のアルバイトさん、お客さんに出すカフェオレからちょっとずつ集めて、ぼくのまかないに出すのはやめてね。
No.1662
俺は悪魔の中でも接続魔と呼ばれるものだ。なんでも繋いでやろう。「スマホがインターネットに繋がらないの」お安いご用だ。アンテナを使ってスマホと公衆電話と繋いでやろう。「ええっ。これって古のインターネットと繋がったの?」いいや、電話交換局だよ。
No.1663
「悪魔よ、早口言葉で勝負だ!」ふふふ、人間の手段などお見通しだ。どうせ初音ミクを持ってくる気だろう。「なぜわかったんだ」ワンパターンだからな。はいはい、人類の勝ちですよー。「悪魔もAIを使っていいよ」AIは教えてない言葉が喋れないんだよ。
No.1664
人間に早口言葉で負けるのは悔しいから、AIに教え込もう。隣の客はよくキャキ食う客だ。「隣のキャキはよく柿食うキャキだ」違うよ、もっとよく聞け。「リピートアフターミー。隣の客はよく柿食う客だ」AIが悪魔に教えるのかよ。「その方が早いでしょ」
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