+1 マイクロノベル鱗「着想の山」
マイクロノベルNo.2052
「着想の山」
「お迎えにあがりました」その声と共に、わたしは空へ舞い上がり、天を駆け、あの山へ。山の峰を渡り、流れ流れて、かつて暮らした山へ。冬には雪が積もり、風が吹き下ろす。ここからひとたび出られたならば。何度もそう願っていたけれど。いま舞い戻りました。
「お迎えにあがりました」その声と共に、わたしは空へ舞い上がり、天を駆け、あの山へ。山の峰を渡り、流れ流れて、かつて暮らした山へ。冬には雪が積もり、風が吹き下ろす。ここからひとたび出られたならば。何度もそう願っていたけれど。いま舞い戻りました。