マイクロノベル集「秋になったら」
マイクロノベルNo.1968
秋は隠された。枯れ葉の下かな? それとも新聞紙? ああ、こんなところにいるはずもないのに。「秋を探してるからって、焼き芋を焼いているぼくのところに来る理由はなんだい」やだもう~、わかってるくせに。お腹に入れる準備も、出す準備も万端だよ。
マイクロノベルNo.1969
手を挙げろ! そして頭の上で合わせろ。よーし、いい子だ。おっとお前、肘が曲がっているぞ。ちゃんと伸ばして手を合わせるんだ。はーい、にっこりしてー。よし、なかなかいい紅葉狩りの写真が撮れたぞ。タイトルは、童心に返って秋をつかまえる大人たちだ。
マイクロノベルNo.1970
ご主人様、水が冷たい季節ですね。そろそろお湯で洗って下さい。「冷水がなんだ。これは修行だ」そうは言っても、ひどい手荒れですよ。「心頭滅却すればアカギレも……痛い!」だから、皿はお湯で洗えばいいのに。「メイドのお前が洗えよ」手が荒れちゃいます。
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