マイクロノベル集 272「逃げろぉ!」
No.1506
裏切ったつもりはないが、仕事は仕事。ロボット掃除機の使命を果たさせていただく! 「コタツの電源を切ったの誰!?」さあ~? わかんないですぅ~。やべっ、プラグごとコードを吸い込んじゃった! 「お母さーん、掃除機がコタツ持って行っちゃったー」
No.1507
ゲームは素晴らしい。何度でもやり直しがきく。『WARNING!!』警報とともに強大なボスモンスター出現。『退却しますか?』いいや、リベンジ可能だからこそリセットはしない! 『選択→ はい・あとで』えっ、どっち? どっちだ? 火炎放射きたあああ!!
No.1508
俺がガキの頃、街にはゲームセンターがあってね。お金を入れて遊ぶ機械がいっぱいあった。よくお母さんの財布からお金をちょろまかして遊んだもんだよ。そう、こんな風に財布から金を……いま俺の五百円玉を盗った指のゲームダコは、すごく見覚えがあるなあ。
No.1509
裏山に入ろうとしたら知らない小僧さんが立っていたの。「今まで世話になった。礼だ」ぶっきらぼうに袋を押しつけられてね。「住処は処分した。決して近づかぬよう」立ち去ったあとに袋を開けたら中身は葉っぱだったのよ。――裏の山が地滑りを起こす直前の話。