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マイクロノベル集 291「気持ちが先にあるんだよ」
No.1601
さて、そろそろお暇するとしようか。なにぶん年でね。体の大半が使い物にならなくなってしまった。そうか、きみたちには「最後に一花咲かせる」という言葉があるんだったね。言葉に自分を合わせるのも悪くないな。
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No.1602
満開の桜もいいけれど、散る姿もなかなかだね。でも、ほら、桜並木に立つボクのご主人様はとても不機嫌そうなんだ。「ジョン、もう行くよ!」イヤです。もうちょっと見るのです。写真撮りましょうよ。「さっき撮影してる最中にウンチしたからダメ!」
No.1603
きみは歌う機械を作りたいんだね。じゃあ、まずは人間を研究しようか。ふむふむ、この口から声が出るんだな。ちょっと中を拝見。舌の動きが細かいな。喉には声帯もついていて、肺が……。「それで、歌う機械はどうなった?」オウムで我慢してくれんかな。
No.1604
ウチワの表と裏に絵を描いて回すと、動いているように見えるでしょ。描かれていない動きは脳が補完するの。この仕組みを利用して作ったのが、鶴と機織り機をセットにした『鶴の部屋』よ。「中にいるのは俺の妻だが」勘弁して。これ、ループ百回目なの。
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