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秋葉原居酒屋革命

2011年秋。渋谷から秋葉原へ異動

渋谷店の月商がだいたい1400万。秋葉原が1500万くらい。

席数は渋谷84。秋葉原130。

大型店への異動だった。またオープンしてまだ1年の新規店で2代目店長としての赴任だった。

渋谷で個人スキルは成熟したが、決して誇れるお店ではなかった。

秋葉原へ異動したときに、お客様満足度を最大化と売り上げ最大化を両立させようと覚悟した。それを成し遂げたら、

レインズインターナショナル、パートナーズフォーラム出場が見えると思っていたから。店長としてやり残したのは、このタイトルだけだった。

※パートナーズフォーラムとは、年に一度、レインズインターナショナルの4業態の代表店舗がパシフィコ横浜でプレゼン大会をするもの、代表店舗は前年の最優秀店舗が代表になる。今もやっているのかは不明。

当時の秋葉原店のスタッフは30人程度在籍で8割大学生、1割高校生、1割フリーターだった。渋谷はほとんどフリーターだったので、また違う感じ。

学生が多いのはモチベーションをかけやすい。社会人になる準備としての教育の機会になるからだ。

秋葉原店の課題は接客はいいが、もっと売ってやろう、という上昇志向が足りない。仲間意識が強く仲はいいが、それが仕事に向いてないところだった。赤字であることも知らないようだった。

やったこと。

・アルバイトリーダー制の導入。30人いると社員だけでまとめるのは無理があったので、4人のリーダーを選任し、育成や目標の共有、根回し係をお願いした。

・ビジョンの共有。「日本で一番の居酒屋になること。」「3か月以内に秋葉原を制覇すること」「ここで働いたアルバイトは社会人の即戦力として卒業後、活躍できるようになること」これを一人一人に伝えた。

・意識改革。「徹底的に売る。お客様を満足させる」

満足度を追うと、売り上げは下がる。売り上げを追うと満足度が下がる

これが居酒屋でよく言われる常識。なぜこうなるかというと、席効率と回転数をあげれば売り上げは上がる。狭い席に大人数座ってもらうこと、時間制限を敷いて席を回転させれば売上があがる。

すなわち、入ってみたら席が狭かったとか、盛り上がってのに途中で退席とか、そういうことが起こるので、どちらかを追うとどちらかが下がるのが常識とされてきた。

私はこの常識をぶち壊すため、2つ追うことにした。スタッフはそんなことはできないと反発した。

基本的に席は2時間制でお願いした。その代わり、料理が遅れたり、オーダーを間違えたりしたら、その時点で2時間制を放棄した。

その日の終礼や振り返りメールで、なぜ料理が遅れたか、やなぜオーダーを間違えたかをどうやったら送れなかったかを徹底的に振り返った。時には当事者を厳しく叱責した。逆にうまくいったときは徹底的にほめて、なぜうまくいったかも、話し合った。

・スタメンと補欠制度

1か月で、ついてこれないアルバイトが5人以上辞めたと思う。シフトもスタメンと補欠制度にした。

スタメンは「料理、ドリンクの作成が速い」「キャッチが強い」「動きが速い」共通は「笑顔で接客できる」これらの要素を満たしている人を選定した。これらのスキルが未熟で、希望シフト20日だして2日しか入れない子もいた。大半があきらめてやめたが、あきらめずにスタメンに上がってきた子もたくさんいた。

2か月で共通のマインドをもった、戦うチームが完成した。反発しながらもやめないスタッフもいた。反発は自身の行動でねじ伏せた。歌舞伎町時代からの誰よりもがんばること。だ。

キャッチはでたりでなかったりのお店だったが、自分がオープンと同時にでることで、それが当たり前になった。22時にはキャッチをやめていたが、自分が朝までやり続けたことでそれも当たり前になった。

2時間制は最初の1回転だけだったが、終電までつづけることで、常に満席で全員が常に動き回っている状態になった。

2か月目に月間予算は130% 前年比は200%を超える売り上げになった。数字は当然全員に共有。みんな自信がついてきた。

12月を過去最高売上の月にしようと決めていたが、みんなの常識をまだ崩す必要があったので、11月の最終週のある日に過去最高売り上げの日をつくることにした。狙った日に狙った売上(常識外の記録)を出すこと。

結果、常識外の記録は11月にでた。常識外の行動は営業時間を延長したこと。5時閉店の居酒屋スタッフさんにも来てもらって、売り上げを達成させた。狙った売上の作り方、時間を延ばせること、お客様は自分たちで呼べることをみんなに理解してもらった。みんな驚いていたが、自信になった。

これで12月戦う準備(マインド)は整った。

12月も圧勝の連続で、先述の過去最高売り上げはあれから4週連続で更新した。24日には過去最高月商達成。圧倒的な月になり、事業部内で存在感を増した。

スタッフのみんなも12月を乗り越えたころには、完全に仕事にやりがいを持ってくれる人が本当に増えていた。仕事に信念をもって、本気で接したら人は変わるんだなと実感した。

余談だが、、秋葉原で1時間500円飲み放題や2時間1000円飲み放題。22時以降終電まで1000円飲み放題。など数々の価格破壊的な飲み放題企画を広めたのは間違いなく私だと思う。今じゃ普通にどこでもやってるが・・・。

次回は秋葉原後半戦。東日本大震災に見舞われた話を中心に。




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