モテキと秘密の大学三年
大学三年になるとサークルの幹部になる。
当サークルは部長、副部長、渉外、会計、編集、渉内という役割があった
部長、副部長は責任者。部長は笑わないという掟を陰で支える、優しい責任者副部長。アメとムチのような存在
渉外は合宿やイベントの予約や手配。会計は支払い、会費集めなど経理全般。編集はイベント時の撮影、しおりの作成、なぜか先輩、後輩の連絡係。渉内はイベント時の企画、司会進行、盛り上げ役。
今の私を知る人なら、部長と言われそうだが、渉内になった。ちなみにどの役職になるかは、希望をあげて、面談のようなものを経て先輩が決める。当時の自分のキャラを考えると自然だと思う。
役割を記載したが、部長か渉内はモテる。
普段笑わず、からみづらい部長。たまに見せるやさしにコロっといくパターンが大いにあったと思う。これはずるい。
渉内。MCなので、常に場を盛り上げる。自分が体を張る場面ももちろんある。が、私は後輩たちのおもしろい一面をキャラ化して、浸透させることに力を注いだ。寝顔がザビエルの絵にそっくりだったから、はげてないのにザビと名付けて浸透したのが一番のホームランだったと思う。彼は元気だろうか。
そんな渉内なので、4月大量の新入生を勧誘、飲み会での盛り上げなどで、人前にでることや目立つことが多かった。そして、「このサークルに入りたい」と思う=その場が楽しかった。というのもあり、4,5月は南雲先輩スター時代が到来した。
前回書いたが、当時は先輩と交際中。先輩も就職してしまい、4月は毎日新入生とのイベントや飲み会に時間を費やし、ほとんど会うことはなかった。そんな中で、かわいこちゃんと妙にうまが合う後輩。が入ってきた。
かわいこちゃんはだれが見てもかわいいだけに、私も「かわいいかわいい」と、わざとえこひいきをして、ひんしゅくを受けつつも、南雲=かわいこちゃんファン。かわいこちゃんに相手にされず。みたいな構図をみんなが認識していていい具合だった。
馬合う後輩は、よくいる「黙っていればかわいいのに系」で、なんでも体を張ったり、恐ろしくノリがよく、だれのノリにも合わせられる、付き合いもよすぎる、天才後輩だった。入学して間もなく、2年後の渉内絶対こいつ。と感じた。(実際そうなった)
かわいこちゃんとは新歓コンパの時にドラマが起こる。
コンパ終了後、私が千葉方面の送り担当(このサークルは先輩が後輩を最寄りまで送り届けるというルールもあった)で数人をつれて市ヶ谷から総武線で千葉方面へ乗車。
途中駅で、後輩がおりていき、最後はかわいこちゃんと二人になった。
西船橋でかわいこちゃんと私も乗り換えで下車。
かわいこちゃんは酔いもさほどなかったので、自分は東葉高速へ、かわいこちゃんは武蔵野線へと別れていった。
私は電車に乗る直前に、なぜかは思い出せないが、なんか気になったのだろう、武蔵野線のホームへ向かった。電車は発車した後らしく、当然かわいこちゃんはいなかった。まあ大丈夫かと思い、再び自分のホームへ戻ると、、、かわいこちゃんがそこにいた。
これは運命だ!
「先輩お話が・・・」
はい、きた。待ってました。先輩と別れてない。どうしよう。この告白を受けていいものか。
「実は彼氏がいまして」
え・・・あ、うん
「最近うまくいってないので、相談にのってもらえませんか?」
も、もちろんだよー!じゃあ最寄りまで送るよ。話そう!
という具合で、まさかのお悩み相談だった。よくある高校から付き合って、大学入った途端、疎遠になって的な話だったと思う、当然何もなく、お別れした。かわいこちゃんはうちのサークルの掟が厳しく、結局新歓合宿後にやめてしまった。
天才後輩は、ほぼ毎日のようにサークルに顔をだして、時間がある限り、付き合ってくれた。とにかく当時の私とノリが合い、常にくっついてきてたのを覚えている。完全に好意が自分に向けられてたのも伝わっていた。これは周りの人もみんな気づくくらいだった。
交際中の先輩にもうわさが耳に入ったらしく、こちらの関係は悪化していった。
天才後輩と飲み会の帰りか、休みの日だったか、定かではないが、いよいよ告られて、付き合った。ノリが合う、お互い自然体でいれる、気配りができる人が新鮮すぎて付き合わないという選択肢はなかった。付き合って、すぐ親に紹介したくらい、このまま末永くいくと、その時は確信していた。
二股に一瞬なってしまったが、先輩には別れを告げ(噂のあの子と付き合ってるんでしょ?)とかなり責められたが、それはないと嘘をついて別れた。
サークル内恋愛は禁止。3年が1年と付き合うなどご法度だったこと、二人でサークルを盛り上げる場面が多かった、先輩と別れた直後で付き合ってることが知られると、まずいと思い、今思えば保身のために秘密にした。これが後々、信用をさらに失うことになる。秘密、嘘、ほんとよくないですね。私の失敗のほとんどがこういうパターン。
天才後輩と付き合って、1か月もしないとき、新歓合宿後にサークルをやめたかわいこちゃんから連絡がきた。
「相談があります」と。まあ、あの後のこと気になってたから、その後の話を聞きに行こうと、会いに行った。
すると、あの時話した彼氏とは別れたということで、スッキリしてよかった。と話したところで、
「先輩と付き合いたいです」
えええええええ!!!! 事件だこれ。なんちゅうタイミング。かわいこちゃんは見た目も性格もかわいいと思っていたけど、全く相手にされてない感じだったから、、、、と数週間会ってなかったその間に、天才後輩と付き合い、先輩に責められながら別れといろいろバタついた中で、
きた。モテキ(当時そんな言葉はなかったけど形容するならこれ)
「サークル内恋愛禁止って言われたから、サークルやめたんです」
やっば、秘密で付き合っちゃってるよ。。。
「天才後輩と付き合ってるんですか?」
その子にだけは打ち明けよう、、、、やめちゃったし、、、と彼女には正直に打ち明けた。
「私あきらめませんから」ドラマか。夢か。これ。
と人生で後にも先にも一度しかない。「私あきらめませんから」を言われて、心の中で、3週間早くいってくれたら・・・と思ってしまった罪人でした。
罪人の私は、かわいこちゃんの家にその後複数回いってしまった。彼女も彼氏ができてはわかれを繰り返し、その都度相談にのったりもしつつで、結果10年くらい連絡は取っていたと思う。
最後も、「私結婚します。さようなら」ってドラマか。みたいな終わり方だった。すでに何もなかったが相談相手としてもけじめをつけたかったらしい。
以上が大学3年の最初の2か月の話。
表向きは明るく楽しく場を盛り上げる、よい先輩。
裏ではだらしない、保身、嘘に嘘を重ねるくそ人間でした。
ちなみにこの年、留年します。だらしない極み。
次回は大学4年(実際は2回目の三年)。
三年の秋から四年にかけてゆずとアコースティックギターにドはまりしたお話。
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