Yohji Yamamotoのドキュメント番組を見て。
『ヨウジ ヤマモト~時空を超える黒~』
録画しておいたNHKのドキュメント番組をやっと観た。
私の師匠はアパレルGokiのデザイナー加藤さんなのだけど、その加藤さんは昔Yohji Yamamotoでパタンナーをしていた。そんなこともあってYohji Yamamotoのことを私は勝手に大師匠みたいに思っている。
番組の中で若いパタンナーが何人も映っていた。その中の一人が、「すべて手でパターンを引くというのに慣れるのに数年かかった」と話していた。
いまやほとんどのアパレルでパターン(製図)はCADを使って作成している。その方が効率的だからというのが理由だが、全て手でパターンを引くということをYohji Yamamoto本人はこだわっていた。
それに、ファッションショーのBGMも自分で作っていた。Yohji本人がギターを弾いて歌う姿を初めて見た。自分の作品を他者の音楽のイメージで染めたくない、というようなことを言っていた。
Yohjiの、自分の作品にこだわること。そこについてきてくれる人を思う姿が実直で素敵だと思った。
「テクニックは色々あるけど、自分のセンスを信じろ。」
「祈り」
「僕は信じている。」
「自分が作りたいものを信じる。自分のセンスを信じる。自分が持つ怒りや苦しみを服で表現する。」
そういう言葉を常に口にしていた。
「感覚というもの、センスというものを目に見ることはできない。作り出して形になって初めて目にすることができる。そこに行き着くために、センスを信じて手で作るんだ。自分を信じろ。」
と言っていると感じた。
Yohji Yamamotoに全く及びはしないが、私もパターンは自分で引いて、自分で縫製している。ウンウン頭をひねりながら作業をしていると、途中途中で「これでいいのか?」「変じゃないか?」「間違ってないか?」「やり直しする?」「失敗?」「これでいい?」とマイナスのイメージが出てきてしまうことがある。でもYohjiは「自分を信じろ。自分のセンスを信じろ。」と言ってくれた。
Yohjiの言葉に背中を押してもらった気がする。
ちなみに、昔あることで迷っていた時、Gokiの社長が言ってくれた言葉にも背中を押された。
「命を取られる訳じゃないんだから、ドーンと飛び込めー!」
私には「信じる」という力が少し足りなかったのかもしれない。
私も自分を信じて作品を作っていきたい。