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Gloomy_Weasel
2021年1月16日 23:03
――神仏を探せ、お前の神仏を―― その腕をいつまでも師匠に認めてもらえず、くすぶっている面打ちの千秋。 ある日、用事で下った村の鎮守で、見事な面と、不思議な少女に出会う。 その醜さゆえに面を付けなければ人前に出られないという少女に、割れた面の代わりのものを打つことを約束したが、思うような面はなかなかできなかった。 室町時代辺りをイメージした,ちょっと不思議なホラーテイストの創作小説です
2021年1月10日 19:59
――私は毎日、夕方になると、ある言葉を唱えなければいけない。でないと、「あの世」に迷いこんでしまうから――オリジナルの短編小説です.よろしければお付き合いを.1「近藤さん、一緒に帰ろう」 そう言われ、私はきょとんとして相手の顔を見やった。同じクラスで、一緒に体育祭実行委員をやっている男子生徒だ。ついさっきまで委員の話し合いをしていて、やっと解放されたところだった。――ごめん。悪いけど、
2018年5月28日 00:02
――花守人(はなもりびと)の瑠璃(るり)は、ただじっとして、そのときが来るのを待っていた。 彼女の仕事のうち、いちばん重要で、いちばん時間を割かなければならなかったのは、“待つこと”だった。―― 久しぶりに、短編をひとつ書き上げましたので、お届けします。よろしければ、お付き合いを。 ★ 本編 ★ 花守人(はなもりびと)の瑠璃(るり)は、ただじっとして、そのときが来るのを待っていた。ま
2018年5月5日 19:17
夏休み、父親の実家へとやってきた少女・初音。大学生の従姉から、この土地に伝わる伝説と、数年に一度おこる神隠しの話を聞いた夜、神隠しにあう。迷いこんだ洞窟の中で、少女はお山の過去と、亡き母の秘密とを垣間見る。少しホラー風味の,現代ファンタジー作品後編です.お時間ありましたら,是非お付き合いをお願いします. ずいぶんと長い間、初音は膝に顔を埋めたまま、じっとしていた。そのうちに、蜂が飛び
2018年5月5日 15:50
夏休み、父親の実家へとやってきた少女・初音。大学生の従姉から、この土地に伝わる伝説と、数年に一度おこる神隠しの話を聞いた夜、神隠しにあう。迷いこんだ洞窟の中で、少女はお山の過去と、亡き母の秘密とを垣間見る。少しホラー風味の,現代ファンタジー作品前編です.お時間ありましたら,是非お付き合いをお願いします. 初音はふと、目を覚ました。何の前触れもなく、ぽつりぽつりと雨が降り出すように。薄
2015年4月13日 18:07
——「ねずみに気をつけて」この母の言葉の本当の意味に気がついたとき、少女はひとつの決断を下した—— 過去の作品第二弾です。よろしければお付き合いを。 その日は朝から、ぱらぱらと雨が降っていた。雨はその勢いを増しながら日中も降り続き、夕方、小夜が小学校から帰る頃には、すっかり土砂降りになっていた。「小夜」 母が玄関から小夜の名を呼んだ時、小夜は居間の畳の上に寝そべって、見るとも無しにテレ
2015年4月13日 17:56
——そうだね、ここは天国と言ってもいいのかも知れないよ。だって、空の上にあるもの。—— アップロードの練習をかねて、昔のおはなし第一弾です。 よろしければ、お付き合いを。「鵞鳥が一匹足りないや」 茜が誰とも無しにそう呟くと、その傍らでせっせと鵞鳥達の糞の後始末をしていた葵が怪訝な顔を茜に向けた。「何だって?」「一番大きい紅色の奴。去年は居たのに」 茜の言葉に、葵はああ、と