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句を読む―ひばりの解放

もう期待されないかろやかなひばり

佐藤文香 編『天の川銀河発電所』より
「福田若之」

ひばりは声が美しい。その美しさを重荷に思うことがあっただろうか。
すてきな声で鳴かなければ、美しい旋律を奏でなければ、常にみんなをうっとりさせなければ…。
あるとき、みんなはひばりに期待しなくなった。それはひばりがしくじってしまったのかもしれないし、ひばりの苦しみをみんなが察したのかもしれない。「かろやか」がひらがなで書かれているところにも、ひばりの解放感が伝わってくる一句。

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現代俳句・短歌を好む私が、ひとつひとつの作品を読んで思ったことをぽつぽつお話ししています。
Amazonアソシエイトリンクは、取り上げた作品が収録された句集・歌集が分かればそちらを貼っています。分からなかったときは私が読んでいるアンソロジー本のリンクにしていますので、こちらもご覧ください。


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