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句を読む―違う方向への一歩

落第という語がついに身にそぐう

佐藤文香 編『天の川銀河発電所』より
「福田若之」

この句から、「落第」が春の季語であることを知った。
春になると、多くの人がまた一つ、歩みを進める。その一方で、進めなかった人もいる。それは自分自身の責任かもしれないし、のっぴきならない事情があったのかもしれない。
「進めなかった」というのは「違う方向への一歩」だと思う。もっというなら「後退した」も「一歩」なのだ。
停滞や後退もまた、自分の生き方の一歩だったんだ。言い聞かせつつ、私は暮らしている。

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現代俳句・短歌を好む私が、ひとつひとつの作品を読んで思ったことをぽつぽつお話ししています。
Amazonアソシエイトリンクは、取り上げた作品が収録された句集・歌集が分かればそちらを貼っています。分からなかったときは私が読んでいるアンソロジー本のリンクにしていますので、こちらもご覧ください。


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