句を読む―春らんまん、

天王寺王寺斑鳩一切春

佐藤文香 編『天の川銀河発電所』より
「村越敦」

天王寺・王子・斑鳩。そして「春」。
なんて雅な文字列の並びだろう。

「一切」という強いワード、そしてすべて漢字表記であることが雅さを、というか「平安貴族感」を高めている。
「どこもすべて春であることよ」、異論は認めない。

宮崎の中学生は、だいたい修学旅行が関西方面だ。もしくが沖縄。
私の中学では、5月に奈良・京都・大阪を訪れた。

その頃にはもう体調を崩していたので、あまり記憶がないのだけど。
東大寺や興福寺をガイドさんに連れて行ってもらいながら、わざと列の後ろの方を歩いていたことは覚えている。そのとき好きだった人の近くを歩きたかったから。

わざとゆっくり歩いて、東大寺で龍の写真を撮った。私の春の記憶は、あの龍です。

(村越さんが所属している俳句会「澤」のHPです)

***

現代俳句・短歌を好む私が、ひとつひとつの作品を読んで思ったことをぽつぽつお話ししています。
取り上げた作品が収録された句集・歌集、または作者に関連する書籍のAmazonリンクも貼っていますので、ぜひ覗いてみてください。

私が読んでいるのはこちらのアンソロジーです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?