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父の入浴
父が退院して2日目。
陽の当たる窓際で一人用のソファに座り眼鏡をかけて新聞を読んでいる姿を見ると、病院のベッドで横たわっていた姿と比べ、生気を取り戻したようで素直に嬉しいです。
今日は、ケアマネさんも訪問してくれ、これからのことを色々相談できました。サービスを使えばそれなりに私と母の負担は軽くなりますが、それには先立つものが必要です。なるべくお金の負担も少なくしたいのが本音。
でもいざという時には、頼りになるものがあるとわかっただけでも安心材料になります。それまでは、できる限り自分たちで父の世話をしていこうと決めました。
とりあえず、入浴です。
入院中に、シャワーを1回だけ浴びただけだったので、わが家でお風呂に入れることにしました。実家からは車で5分なので、まだそんなに負担はかからないという前提です。浴槽をリフォームしたときに、手すりも付けておいたのが功を奏しました。
着替えも、体を洗うのも、母と一緒に介助してなんとか入れました。
久しぶりに湯舟に入れて、父も嬉しそう。温泉が大好きで月に一度は湯河原の温泉に行っていたっけ…。
ただ、棒のような手足と骨格がわかる背中、弛んだ皮膚の父の姿はもう以前の面影はありません。
昨日まで不安だった気持ちも、いざ行動してみるとなんとかなってしまうものなのだと安堵の気持ちになる反面、父との別れは静かに近づいていることを実感せざるを得ません。
とにかく、私に今できることを精一杯やってあげたい、そう強く思いました。