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【東洋医学でメンタルケア】

博心堂鍼灸院のいんちょです。

鍼灸師さんだからできるメンタルケアって、フィジカルケア同様、ユニークな手法でたくさん役立てるんだと思うんですよね。
っていうのも、東日本大震災以降、この10年ほどの間に鍼施術でずいぶんたくさんの患者さんのメンタルケアに携わらせていただきました。

また今年のコロナ禍という期間中も、ココロの強い負担を感じながら鍼施術を求めて、博心堂鍼灸院へお越しになられる患者さんが増えましたね。
特に夏ころからかなぁ。
馴染みの患者さんは春くらいから、ココロの負荷を感じ始めていて、すでにそのころから施術のペースが短くなる人が多かった。


現在僕は「さする鍼」という衣服の上から金属のプレートで、文字通りさするような手技を用いて施術をしています。
東日本大震災以降、鍼施術を受けたくても、不安で肌をさらすのが怖いという人もいらっしゃいましたからねぇ。
それ以前にも、過敏な子供ちゃんなどは、やっぱり服を脱ぎたがらなかったしなぁ。

そんなわけで、針金の先を当てられることすらも不安に感じる患者さんたちが増えてきたこともあり、特に今年から金属のプレートを用いた「さする鍼」を用いる機会が増えましたね。
※今はほぼほぼ「さする鍼」の患者さんばかりかな。


人は不安がるとき、カラダをさすってあげると、心理的に楽になるみたいだし、身体症状としての痛みやこわばりなども軽減する。

やみくもにさすってみたところで、深い効果を表すわけではないけど、素人が家族のことを思いやって体をさすってあげると楽になるということもあり、人に触れられる安心感っていうのは、生き物として根源的な何かを安心させてくれるものがあるのでしょうね。
※東洋医学では、この根源的な何かを考え続けて、学問と施術の体形を作ってきたわけですね。


人のココロが慰められるとき、その心を支えているカラダも楽になる。
ココロの負担と体の負担。
どちらも根源はつながっているということですね。

東洋医学ではこの根源の部分を「気」という一言で済ませます。

ココロもカラダもこの「気」でつながっているわけですから、ココロを整えれば体が楽になり、逆もまたアリ、ということですね。

カラダは体、ココロは心って、分断して考えがちなんだけど、根っこをつなぐ道理を見つけることができると、人のココロやカラダへの携わり方が変わってくる。

日常的にも、人の機嫌をよくしてあげられるような接し方ができることで、相手の体調まで引き上げてあげることができたりして。
そうして、目の前で元気になる人を見るだけでも、声をかけるこちらまで心と体が養われるような気がします。
そう、「気」が養われるって、そんなところから始まったりするんですよね。

ココロは心、カラダは体、じゃなくてね。
ココロを引き上げることも、カラダを引き上げることも、いずれにしろ心にも体にも同時に優しくしてあげられるってこと。

だから僕は鍼施術を通して、患者さんの体と心の様子を見ながら、「気」を養えるような触れ合いをしていきたいのですよ。
患者さんばかりでなく、携わらせていただく僕自身のためにもね。
そんな臨床の日々で、僕の元気も循環させていくことができたら、社会や世界の平和にまでかかわれるようになるかもね。
きっかけは小っちゃくても、そんな「良い気の循環」が始まるスタート地点の一つになれたらとは、いつも思っているわけですよ。
鍼灸師さんの可能性としてね。

最後までお読みいただきありがとうございます。


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