皆も作ろう!ビーフストュー
今回は某グルメチキンレースを標榜する番組をチラ見したら、サーロインのど真ん中の良いとこをシチューにするという愚行をしていたのにあまりにも腹が立ったのでストューを作る事にした次第である。
この経緯もあって今回は極端に写真が少ないし適当である。
お許しいただきたい。
そもそもシチュー(ストュー)とはなんぞやという、私の持論をお聞きいただこう。
ストゥーブ、暖炉で有るもの(おそらく根菜や肉のほとんど骨の部分やスジの部分)を煮てスープにしたものがそもそものストューであるのではないか。という事を私は思っている。
つまりそのまま焼いて食べて旨いものをわざわざ必要以上に加熱する事は本質的な料理の精神から大きく離れる事になると考えられる訳だ。
何より煮込んだ料理に限れば和牛のサーロインよりもオージーやアメリカ牛のスジを煮た方が旨いと思う。
私見にすぎないが先程言ったサーロインのビーフシチューは客から金を収奪する為だけにわざわざマズイ料理法を採用した不見識で不道徳な料理といえる。
そんなわけで私は次の日市場で安いアメリカ牛のスジを見かけるとたまらず買うことになった訳である。
シチューの茶色は何の色だろうか?
デミグラスソース。
それは正解なのだが、ではデミグラスソースの茶色は何の色か?
野菜や肉を炒めた時に鍋(フライパン)についた焦げなのだ。
つまりストュー作りは野菜を炒める事から始まる。
のだが今回は牛スジを使うのでそれの処理から始めよう。
適当(大きめが良い)に切る茹でる→三時間。
簡単だ、当然水を足すのを忘れないように。
気を付ける点は最初はアクがでるので掬う事だけだ。
ゆで汁はシチューの出汁になるのであまり減らさないように。
今回は玉ねぎ、舞茸、シメジ、干し椎茸、人参、じゃがいもを使用する。
芋と人参は煮崩れないように後からいれる。
他の野菜は適当に切ったら炒める。
30分くらいかけてしっかり炒める。
全体に焼き色がつけばOK。
炒めた野菜を煮込んだ肉と合わせる。
ここで大事な事はフライパンについた焼き目を水などでしっかりこそぎ落として煮込む鍋に合流させる事である。
この旨味と肉から出た出汁が美味しさの素なのだ。
ここから選択肢は2つある。
しっかり煮詰めて塩やケチャップ等で味を調えながら本格的なデミグラスソースのようになるまで煮詰める方法。
もうひとつは市販のデミグラスソースを放り込んで時短する事である。
むろん、デミグラスソースのような時間と手間をかけたものはある意味大変に高級な物と言えるが、現代日本ではほとんど完成したものが安くあるので今回は使わせていただく。
どちらにしろ塩分はあまり入っていないので塩、醤油、味噌、ケチャップ等の合う調味料で味を調える。
これで一煮立ちすれば完成となる。
千円以下で10皿分くらいは取れる、大変にコスパの良い(絶対的に味も良い)ストューの出来上がり。
料理は食材の持ち味を引き出してナンボである、高額なものにはそれなりの食べ方があるのだ。
そして、このように安い食材でもやりようで旨い食べ方はいくらでもある。
皆さんも工夫で価値の高い料理をしていただきたい。